第23章 早とちりも程々に※
〜お知らせ〜
毎週土曜日
午後二時より
甘味食べ放題実施予定
お品書き
・草もち
・豆大福
・羊羹
・団子各種
・あんみつ・みつ豆
・抹茶・煎茶・焙じ茶飲み放題
・日替わり甘味
控えめに言って…
最っっっっ高なんですけど!!!!
ふたば屋さんの扉の貼り紙を見て私は歓喜のあまり打ち震えた。
これならば簡単に体重を元に戻すことができそうな気がする。
危ない橋を渡って、宇髄さんに「お乳を揉んでください」などと言う小っ恥ずかしいお願いをすることもなく!!
しかし、この食べ放題に一人で参加することだけが二の足を踏んでしまう。
たくさん食べることに羞恥心はないのだが、一人でこんなところで甘味をもりもり食べていたら失恋でもした寂しい女だと思われるのではないか。
もしくは恋人もいなくて食に走った女に見えるだろうか。
どちらにしても恥ずかしさは募る。
貼り紙の前でどうしたもんかと迷っていると、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「ほの花ちゃん!こんにちは。」
「蜜璃ちゃん!!こんにちは。って!蜜璃ちゃん!?!?」
そこにいたのは鬼殺隊 恋柱の甘露寺蜜璃ちゃん。桜餅色の髪を束ねて可愛い笑顔を向けてくれている。そして目に飛び込んでくるのは大きなお乳。
(…絶対、これになる…!!)
私は蜜璃ちゃんの手を取り握りしめると真剣に彼女を見つけて懇願した。
「え?ど、どうしたの?」
「蜜璃ちゃん…!一生のお願い…!私とこの甘味食べ放題一緒に行ってくれない?!」
「甘味食べ放題??」
蜜璃ちゃんは物凄くたくさん食べる人だし、彼女と一緒なら食も進みそうだ。
何より一人じゃないということが嬉しくてたまらない。
まだ了承すらされていないが、貼り紙を指を差しながら目をぱちくりとさせておねだりをすると、その貼り紙を見て「わぁ!」と感嘆の声を上げた彼女。
「素敵!!たくさん甘味が食べられるなんて最高だわ!うん!一緒に行きましょう!誘ってくれて嬉しいわ!」
「いいのぉー?!ありがとうーー!蜜璃ちゃん!良かったぁ!」
大袈裟なほど彼女に抱きつく私を見て不思議そうな顔をしているが、蜜璃ちゃんの顔はいつもと変わらない可愛らしい笑顔のままだった。