第23章 早とちりも程々に※
まきをさんの提案が現実的でない…と言うかそんなのは毎日シているのだからこれ以上増やすのは無理だと判断した。
行為の際に「念入りにお乳揉んでください」なんて言うのも小っ恥ずかしいし、それならば別の方法を試したい。
「ごはんをいっぱい食べるのもいいですけど、ふたば屋さんで明日から甘味食べ放題をやるみたいですよぉー!週末限定らしいですー!ほの花さんそこでいーっぱい食べてまずは太るのを目標にしたらいいんじゃないですか?」
ふたば屋さんと言えば、私の大好きな甘味処。
事あるごとに宇髄さんが連れて行ってくれたり、お土産にもよくもらうそこのお店は御用達だ。
塩気の効いた豆と甘い餡子が良い塩梅の豆大福に、鼻に抜ける豊かな茶葉の香りと餡子が絶妙な草もちに、とろっとろの甘じょっぱいタレに絡んだみたらし団子…。
寒天と白玉団子がたっぷり入ったあんみつも捨てがたい…。
兎に角、甘味なら此処のお店のものを食べたい!と言い切れるほどお気に入りで、そんなお店が食べ放題を始めたなんて、今の私には朗報でしかない。
ごはんは通常の量しか食べられないが、甘味ならたくさん食べられる。
宇髄さんには苦言を呈されてしまうが、まずは体重を増やす事を一番に考えればふたば屋さんに通う事で解決するかもしれない。
「須磨さん!!それは良い案です!!一緒に行きませんか?」
「遠慮しておきますぅー!私は出来れば太りたくないので。ごめんなさーい!」
「えー…、じゃあ、雛鶴さんとまきをさんは…?」
「「右に同じくで…。」」
「そんなぁ…。」
三人に一瞬で断られてしまったため、肩を落とすが、無理強いはできないので諦めるしかない。
しかし、流石に一人で甘味食べ放題に行くのは勇気がいるが、他に…宇髄さんは甘味をたくさん食べる方じゃないし、「巨乳になりたい願望」のためと言うのがバレたらまた意味のわからない嫉妬で止められるに決まってる。
とりあえず食べ放題の概要がお店の前に張り出されていると須磨さんが教えてくれたので、私はそれを見るために町へと繰り出した。