第23章 早とちりも程々に※
"オカズにする''の理由がわからなくて、宇髄さんが言いにくそうに教えてくれたのは今し方だ。
しかし、その内容を言った瞬間、申し訳なさそうにする彼と違い、私は嬉しくてたまらなかった。
それは此処にいない間も私のことを想ってくれていたということで。
自慰と言うのは恐らく一人でそう言うことをするんだと思うけど、したこともないし、してるとこも見たことないのでよく分からない。
「お、怒ってない…!その、私以外のこと…考えられるのは嫌、だけど…、それなら…嬉しいよ?」
「え、マジで?!ビビったー。怒られるかと思ったぜ。ほぼ毎日何十回とお前で抜いちまったからな。」
「…それは良いんだけど、自慰ってどうやってするの?見たい!見せて?」
「……お前のそういう天然なところ可愛いと思うけど、ンなこと朝っぱらから男に言うな。つーか、お前がいるのにもう自慰なんてすっかよ。アホか。」
"見せて"と思わず言ってしまったが、どうやらあんまり人に見せるものでもないようで、断られてしまった。
よく考えたら卑猥な内容だと言うのだけは分かるのだから、確かにそれを見せてくれてだなんて空気が読めていなかっただろう。
「ご、ごめ…、だって…、一度もシたことも見たこともないから…。あ、で、でも…、話戻るけど、そう言うことなら、私が万人受けするわけじゃないんだからみんなのおかずになるわけないじゃん。馬鹿だなぁ、天元ったら。」
彼はいつも私のことを褒め称えてくれるけど、人には好みというものがあるのだと何回伝えても理解してくれない。
まるで、全男性が私に好意を抱くというような語弊のある言い方をされるので困ったものだ。
天元だって美丈夫だし、町を歩けばみんな振り返ってみているから気が気じゃないけど、彼ほど容姿に恵まれてるわけではないし、それほど愛が深いと思うと嬉しいけど、苦笑いしかできない。
「何と言われようとお前は絶対オカズにされるから肌が少しでも見られないようにしてくれよ。俺は鬼殺しはしても人殺しはしたくねぇ。」
冗談かと思いきや、彼の目がやけに真剣なので何も言えずに頷くことしかできなかった。
それよりもまずは自分の体型を元に戻すことから始めなければいけない。