第23章 早とちりも程々に※
「…おかずな…、俺はふぐ刺しが好きだ。」
「え?うん。そうだね。私もお刺身好きだよ。」
「美味いよな〜、ハハッ!」
「ふぐ刺しいつも持ち歩いてるの?それと私、どんな関係があるの?」
駄目だ、やっぱり誤魔化せねぇ。
ふぐ刺し持ち歩くわけねぇだろうが。どうやって持ち歩くんだよ。
仕方なく、ほの花に向き合う。
「いや、違ぇんだ。悪ぃ。俺さ、お前がクソ好きなわけ。」
「?うん。私も大好きだよ。」
そうやってクソ可愛い顔して笑うほの花に物凄く悪いことをしてしまったような気がして冷や汗が垂れる。
(…まさかこれで嫌われるとかないよな…?)
そんなことあるわけないと思いつつ、つい最近まで手元にいなかったほの花がまたいなくなってしまうのではないかという恐怖に言い淀んでしまう。
「だからよ、…お前がいねぇと、溜まっちまうわけ。わかる?」
「…溜まるって、あの、その…っ、そ、そっちの…?」
顔を真っ赤にして視線を彷徨わせているほの花を見て、どうやら内容が卑猥なことだということは分かるようでホッとした。
「そうそう。ほの花がいないとほの花を考えて悶々としちまうんだよ。」
「え、と…あ、ありがと…?」
「正直、白状するとお前がいない間、俺はほの花にもらった夜着の匂い嗅いで何回も自慰しちまった。要するにそれをオカズにするってこと。俺はお前以外勃たねぇからよ。オカズにした上、もらった夜着も使い物にならなくなっちまったからまたくれ。」
卑猥なことだということが分かっていれば、もうこの際だから…と一気に捲し立てると赤面させたまま唇をかみしめて目をパチクリしているほの花。
ついこの前まで生娘だったわけだから刺激が強かっただろうか。ヤることヤってはいてもこういう話をする時は大体恥ずかしそうにしているのはいつものことだ。
「…怒った?」
しかし、恐る恐るそう聞いてみればほの花は慌てたように目を合わせてぶんぶんと首を振って違うと言ってくれている。
それを見て最悪の事態だけは免れてことがわかり、ホッとした。