第23章 早とちりも程々に※
あまりに突然、"抱き心地が悪いか"を聞かれて鳩が豆鉄砲を食ったように驚いてしまったが、ほの花の顔が真剣だったので話を聞いてみることにした。
「何で急にそう思ったわけ?」
「あの、…まだ体重が戻りきっていなくて、隊服が大きく感じるの。ほら、特に腰回りとか…。だから宇髄さ、…じゃない、天元が抱き心地悪くないかなぁって。」
名前を言い直されたのは気になったが、抱き心地など考えたこともなかった。何故ならほの花であれば体の部位などそこまで気にして見ていなかったから。
確かに腰回りは細くなったと感じていたが、だからと言ってすぐに戻るようなものでもないだろうし、と安気に考えていた。
「いや、別に抱き心地は悪かねぇよ。俺はお前なら何でもいいし。でも、確かに元には戻ってねぇな。戻りきってないまま鍛錬も始めちまってるし、元々お前痩せやすいもんな。」
「あのね、腰回りはスカートが脱げちゃいそうなくらいだから、ちょっと自分で詰めようかなって思ってて…。」
「そうしろ。脱げたら困る。俺が困る。お前の体を他の男が見たらぶっ殺しちまう。」
「ちょ、!こ、怖いから…!」
冗談だと思われてるかもしれないが、こちとら本気だ。ただでさえコイツの隊服は白い足が見えちまってるわ、乳も見えてるわで、歩く"おかず"なほの花。それに加えて顔もクソ可愛いっつーのに。
誰が見てて、誰のおかずにされてるか考えただけでも発狂しそうだ。
「でも、そうだよね。やっぱり此処ちょっと詰めてみる!ありがとう!」
「…なぁ?絶対見せんなよ?」
「分かってるよ〜。それに見せてるわけじゃなくて見えてるだけ。」
「同じことだろ?!俺みたいにおかずにする男がどれだけいると思ってんだよ。自覚してくれよ。頼むから。」
「おかずって何?天元、何のおかず持ってたの?」
そこから説明しないといけねぇのかよ!という驚きよりもうっかりほの花をおかずにしていたことを暴露してしまって、どう誤魔化そうか頭で必死に考える。
しかし、おかずの意味を教えた段階で既にバレるのは関の山。
自ら墓穴を掘ったことに頭を抱えるが、仕方なく彼女におかずの説明をすることにした。