第22章 今の上官は風柱様です!※
ちっとも思い出してくれないほの花に不満はどんどん溜まる。ガシガシと腰を打ち付ければ寝起きニ発目の絶頂に身を委ねたほの花の締め付けに何とか耐えた。
しかし、自分の滾った肉棒を暴発させまいと動きを止めざるを得なくて、痙攣しながら悶えているほの花の体を反転させて布団に組み敷いた。
「…やっぱ顔見てシてぇよな。おはよ、ほの花。朝から可愛く啼いちまって、どうしたよ?」
「ど、どうしたっ、て…、な、朝っぱらから何してるの…!それにおねだりって何?」
「止めたのに思い出さねぇの?」
「ご、ごめん…なさい。えと、何だっけ…?」
あんなに止めてって言うから止めたら潔く思い出してくれるかと思いきや、全く思い出してくれやしない。
完全に昨日の情交の記憶がすっぽ抜けているようだ。まぁ、それほど没頭した行為だったと言うならば嬉しいとは思うが、こちとらそれが嬉しくて浮き足立っていたと言うのだから面白くない。
こうなってしまえば、教えてやらないとちっとも呼んでくれないだろうから悔しいがこちらが折れてやることにした。
「…名前で呼べって言ったじゃねぇかよ。」
「…え…、あ、ああ!え、きょ、今日も?!」
"今日も"って何だ。"今日も"って。
確かに一度だけでも良いとは言っちまったが、そんなもんは無効だ。(横暴)
何が何でも呼ばせてやる。
大きく腰をひくと、勢いよくズンッと突き上げる。
「ひ、っああっ!!」
「…ほの花、呼べよ。ヤってる時だけでいいから。」
「な、や、ぁっ、わ、わかった、から!や、やさしく、っ!て、天元!優しく、して…!いき、できない…っ!」
悲痛な声で漸く呼ばれた己の名前に簡単に気分が良くなった俺は単純な男だと思う。
それでも念願だったのだ。
少しくらい懇願してもいいはずだ。
「…もう一度。」
「て、んげん…、おねが、い…!ゆっくり!」
「…ん。最高。礼に天国に連れて逝ってやるよ。」
「ちょっ、と!ま、ってっ!てんげ、ん…!ひっ、やぁああっ!」
どれだけ嬉しいか分かるか?
好きな女に漸く名前で呼んでもらえて。
少しばかり調子に乗ってしまうのも許して欲しい。
俺はほの花の制止も聞かずに己の肉棒を快感の限りに打ち付けてやった。