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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※




宇髄さんの優しい眼差しにホッとして、大きく息を吸うと深呼吸をして彼に向き合った。

…大丈夫。宇髄さんは受け止めてくれる。

「…あのね、私…稀血っていうやつみたいなの。」

「は?稀血?ほの花が?」

「うん。話すと長くなるんだけど…聞いてくれる?」

「当たり前だろ?話してみ?」


そう言うと宇髄さんは私の手を取って優しく握ってくれた。
遡ること一ヶ月半ほど前のこと。
珠世さんに会った時から始まった。
あの日、私は自分の生い立ちを全て聞かされたのだ。


「…神楽家に女児がなかなか生まれないっていうのは知ってると思うけど…、生まれた女児は漏れなく二つの能力を持って生まれてくるんだって。」

「…二つの能力?あの不思議な治癒能力のことか?」

「…うん。それともう一つが私の持つ治癒能力が鬼にとっては毒になるということらしいの。」

「……あー…なるほどね、人間と鬼に対して相反する力があるっつーことか。」

流石宇髄さんは飲み込みが早い。すぐに理解してくれて助かるし、ちゃんと真剣に聞いてくれていることがすごく嬉しかった。


「…で?誰にそれを聞いたんだよ。」

「え、…と、母の…古い知り合いらしいんだけど…たまたまお会いした時に教えてもらうことができたの。」

「…古い知り合い、ねぇ。」

「…あまり、まだ詳しくは言えません…。ごめんなさい。」

「あー、そこがまだ言えないところなわけね。了解。んで?そのことだけを言いたかったわけじゃねぇよな?」


この期に及んでまだ隠し事をしているというのに大して気にせずににこやかに対応してくれる彼には頭が下がる。本当ならばそこも伝えなければいけないのに…。

だが、伝えなければいけないことはまだある。
私は大きく頷き、「まだあるの。」と彼を見つめた。

「もう一つの能力の方は私の血液中に入っているみたいで、不死川さんが言うには"稀血"って言うんだよね…?」

「あー、確か不死川も稀血だったな。確かに血に入ってンなら稀血ってことになるな。」

「…それに気付いたのはあの…鬼狩りの日だった。あの日、私はこの血のお陰で助かったの。言えなくてごめんね…?」


手を握ったまま、私は下を向いて彼の言葉を待った。自分から伝えると決めたが、やはりあの鬼狩りの時のことを話すのは勇気がいると改めて感じていた。


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