第22章 今の上官は風柱様です!※
「い、いや、やっぱりごめん、なさい。元に戻ってきて良かったです…。すみませんでした…。」
何なんだ、コイツは。
痩せた分、目方が戻ったのは良いことなのに、「太った」かどうかを気にしてるこの女の思考回路は意味わからん。
ただでさえ華奢なくせに痩せてどうすんだ。この阿呆ほの花が。
「ったくよぉ、ほの花ちゃんの思考回路はどうなってんの?この辺とかもうちょっと肉つけてもらってもいいんだけどなぁ。」
そう言うと徐ろに腰を撫でてやるとビクンと体を震えさせるのでゾクリと腹の奥が疼く。
こうやって触れ合えることすら許されなくて、どれほどつらかったか。
「ちょ、ど、どこ触ってるの…!!」
「いいじゃねぇか。俺のだもん。」
「だ、だめー!ここ外だよ!?」
「外で足を晒していた奴に言われたくねぇわ。」
「……確かに。すいません。」
いくら暑かったからと言って屋根の上とはいえ足をさらけ出して涼むなんて俺からしたらふざけんなよって言う案件だ。
鬼殺隊の柱ほどの実力があれば屋根の上をひょいひょいと飛んでてもおかしくないのだから見られていたらどうするのだ。
柱であれば信頼しているとはいえ、自分の女の肌を見られるのは勘弁だ。それだけは許せない。
「しかも、お前は病み上がりだってこと忘れんなよ。ちょっと冷えちまってるじゃねぇか。部屋戻るぞ。」
こちとらほの花の風呂あがりの姿を見るだけでムラムラしてたまんねぇっつーのに。
足まで見ちまって、触れてしまえば今まで我慢した欲が噴き出しそうでドキドキしている。
それなのにほの花は少しだけ不安そうにこちらを見ると言いにくそうに言葉を探している。
「…?何だよ。」
「…あの、部屋戻る、けど、宇髄さんに話したいことがあるの。」
「話したいこと?…今更やっぱ恋人には戻れねぇとか言うんなら聞かねぇぞ。」
「そ、そんなんじゃない、よ!」
一瞬浮かんだ最悪の内容に眉間に皺を寄せたが、すぐに否定をしてくれたほの花にホッとした。
流石にもうコイツと離れるなんて選択肢は御免被るのだから、話の内容は明るいものであってほしい。