第22章 今の上官は風柱様です!※
俺は生涯ほの花しか愛せない自信がある。
自分のことを許せなくて、恋人に戻れないという彼女を救う方法は一つしか思い浮かばなかった。
一旦、それを受け入れて、時期を見てもう一度自分の女にすること。
今までのほの花との恋人関係は解消して、新たに交際を始めれば受け入れてくれるのではないか?一種の賭けでもあった。
これで駄目ならもう無理矢理にでも自分の女にするつもりだった。
俺がそんな簡単にほの花を諦められるわけがない。それなのにちっともそれを理解してくれないほの花にどれほどヤキモキしたか。
好きな女ができたと言ってみれば必死に取り繕って笑うほの花に心は決まった。
好きな女なんてお前に決まってんだろ。
贈り物をやりたい女なんてお前以外いねぇ。
流石に定食屋に連れて行った時はバレるかとヒヤヒヤしたけど、全く気付かないほの花のぼんくら加減に顔を引き攣らせた。
極め付けは好きな女を紹介してやると言って水面に映るとほの花の姿を見せたと言うのに全く気付いてくれなくて白目を剥きそうだった。
正宗たちが昔言っていたことは本当だ。
(…クソ鈍感。)
何度言っても気づかないほの花に途中で苛ついてしまったが、無事に正式に求婚することができた。
それでも、不安がなかったわけではない。
あの日…ほの花に恋人に戻れないと言われた日。
部屋に戻った俺の耳に聞こえてきた言葉が支えだった。
「…愛してます。」その言葉だけが自分の支え。本当はお前だって俺のことを愛してくれてるって分かった瞬間、やはり絶対諦めないと心に決めた。
そのためだったらただの師匠と継子の関係に戻ることなんてつらくもなんともなかった。
そばにいられること自体は離れていた期間のことを思えば凄く嬉しかったし、ほの花が手元に戻ってくると言う確信にも近いものがあったからこの二週間普通に過ごせたと思う。
傷つけてツラい思いをさせた分、生涯かけて幸せにするという自分の覚悟をほの花に見せたかった。
二度と離さない。