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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※






時間というのはどんな人間でも同じように進む。嫌だと思ってもその時は勝手にくるし、"時間よ、止まれ"と思ってもそんなことはできない。

陰陽道にそんな術があったならばどんなに良かっただろうか。
そんな世の中の理を無視するような術はあってはならないが。


午後二時は間もなくのこと。
仕方なく、準備をして宇髄さんの部屋に向かう。
しかし、襖を開けた瞬間、私の姿を見て不機嫌そうな顔をして見下ろされた。



「は?何で隊服?」

「え?隊服じゃ駄目でしたか?」

「俺、今日非番なわけよ。だからお前も着替えてこい。連れて歩くのに隊服の女なんて色男の俺が台無しじゃねぇかよ。しっかりめかし込んでこい。お前、めかし込んだら良い女なんだからよ。」


そう言う宇髄さんは確かに着流しをさらりと着こなしていて本当に本当に格好良い。
目の保養だ。
確かに隣を歩くのに隊服だとおかしいのは分かるけど…


「万が一、想い人に見つかったら誤解されてしまいませんか?隊服のが返っていいのではないですか?」

「だーかーら、アイツはそんな小せぇこと気にしねぇの。いいから着替えてこい。早くしろよ?」

「わ、分かりましたよぉ…。」



宇髄さんの言い方に自分が小さい女だと言われているように感じた。
はいはい。どうせ私はすぐにヤキモチ妬いちゃう小さい女でしたよ。
でも、私もだけどあなただって意味分からないほど嫉妬してましたからね?
宇髄さんだって小さい男なんだから。

心の中でいくら苦言を呈しても伝わらないし、一向に不満は解消しない。

それでも言われた通り、着物に着替えて身だしなみを整えるが、目一杯したお洒落も宇髄さんの想い人に贈る物を選ぶためのモノだと思うと苛々が募る。


こうなったらいつもより思いっきり化粧して綺麗にして、手放したことを後悔させてやる!!

いや、手放したの私だけど…。

もう何をしているのか意味がわからない。
彼は間違ってないのに苛々するし、自分の不満を解消することもできないなんて生き地獄でしかない。


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