第22章 今の上官は風柱様です!※
責任は完全に俺にある。
アイツを追い詰めたのは俺だからだ。
「どうしたら良い?飯は食わせるが、何か気をつけることは?」
ほの花のためなら何でもやってやる。
もう手放すなど自分が無理だった。怖がられるなら触れなくても良い。
そばに居るだけでもいいからもう二度と手放したくない。
胡蝶にほの花の食欲不振について指南を受けようと視線を向けると再び大きくため息を吐いて呆れたような顔をした。
「…そんなに大切なら最初から手放さないで傷つけないでくださいよ。まぁ、今回は不死川さんが悪いですけど、あなたも愛した女性を追い込んだのは間違いないんですからね。」
「…分かってる。不死川の件は一発ぶん殴って話は済んでることだ。俺の後始末が完全に悪かった。巻き込んですまねぇ。」
確かに不死川のせいでほの花が不埒な任務に駆り出されていい迷惑だったが、結局、不死川の機転のおかげでほの花が手元に帰ってきたのは間違いないのだから此処で奴を責めるのは不本意だ。
結局、そうでなくてもほの花を追い詰めたのは俺の言葉と行動のはずだから。
「…明らかに栄養が足りてないのですし、既に体重減少、吐き気嘔吐の症状は出始めています。体が自分の体を守ろうと発熱することも考えられますので見ていてあげて下さい。」
「…分かった。発熱したら解熱剤飲ませればいいのか?」
「ええ。あまりに食べられないようなら此処に連れてきて下さい。すぐに栄養剤を投与しますので。」
栄養剤を点滴するかどうかの瀬戸際だったなんて思わなかった。
それほどまでに自分が追い詰めてしまった事実は正直、目も当てられないが逃げることなど許されない。
もう一度自分の女にする。
遅すぎるなんてことはない。
そうでなければほの花だって大人しく着いてはこなかったはずだ。
少なからず、まだ可能性があると信じても良いだろ?
今度こそ間違えたりしないから。
「…胡蝶、感謝する。ありがとな。」
「宇髄さんはほの花さんが絡むと御礼も謝罪もできるんですね?」
「…失礼だぞ、お前。」
「…あら、ふふ。」
胡蝶の目はちゃんと笑っていて、心から笑顔を向けられていると分かり、少しだけ照れ臭くなった。
あながち間違いでもない言葉に俺自身も笑いが込み上げた。