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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※





「神楽さん、ありがとうございました!こちらも終わりました!」

全ての応急処置を終えると、解毒から回復した医療班と応援で来てくれた隠の人が怪我人を運んでくれて漸く全ての隊士を送り終えることができた。


「お疲れさん、ありがとな。お前ら。」


片付けをしていると急に頭の上から降ってきた声に肩を竦ませた。
…そうだった。宇髄さんの管轄だったんだ。無我夢中で応急処置をしていて、うっかり忘れていた。


「音柱様!こちらこそありがとうございました…!来て頂かなければみんな揃って死んでました。」

「怖ェこと言うなって。一応、報告するからよ。怪我人の人数教えてくれ。」

「あ、はい。神楽さんが…。」


急にこちらに注がれる視線に私は思わず下を向いてしまった。確かに怪我人の人数等の記録を取っていたのは自分だったので、彼は間違ってはいないのだが今の宇髄さんの視線は緊張してしまう。

昔なら目が合うだけで幸せだと感じていたのに、今は気まずい上に緊張感さえ漂う。
処置記録を開くと、宇髄さんの視線を感じながらそれを読み上げる。


「怪我人は軽傷 21名、重傷 3名で一時心停止しましたが、蘇生して回復しています。死者は0です。」

「…ん。了解。お疲れさん。」


業務的になってしまったが、卒なくこなせたことにはホッとした。そしてそれと同時に彼の足音が聴こえて、その場から去っていったことを示していてなんとも言えない気持ちになった。


もっと話したいと思う一方で、一体今更何を話すことがあるのだと自らに問いかける。
宇髄さんと此処で会ったのは単なる偶然。
それ以上でもそれ以下でもない。

元上司と再会しただけではないか。


「神楽さん、僕たち行くけどまだかかる?」

声をかけてくれた医療班の人を見ると既に準備万端で帰るだけといった出立ち。
自分はと言うと…薬箱の内容物がまだ散乱していて整理整頓しないと次使う時にわけわからなくなりそうな状況。

「先に行ってください。これを整理整頓したら帰ります。私は戦えるので気にしないで気をつけて帰って下さい。」


そう、今日は医療班として来たが、元々は鬼殺隊士の剣士の一員だ。
彼らと違って戦えるので一人残り、薬箱の整理をしてから帰ることにした。

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