第22章 今の上官は風柱様です!※
「おい、ほの花に行かせようぜェ。そうすりゃァ、ついでにアイツらの問題も解決だろ?」
「えぇ?そんな上手く行きますかね…?またほの花さんが傷つかないでしょうか?」
「ほの花よりもアイツにそんなこと言ってられる余裕はねェよ。会わせろってうるせェのなんの。」
そう、ここ数日「いつなら会えるんだ」と頻繁に家に出向いてくる宇髄。
しかし、いくら来たとてほの花はいないのに、無理矢理入ってこないのはアイツなりにほの花の心を大切にしたいと思っているからだ。
会えていない自分よりも会ってる俺の方が心の状態を把握しているだろうと踏んで、敢えて俺に従ってくれていたが、それもそろそろ限界だろう。日に日に苛々しているのは目に見えてわかっていたし、少し荒療治だがこうなってしまえば一旦ほの花を差し出してみようと思った。
「…多分よ、俺らにはどうしようもないこともアイツなら解決してやれるのかもしれねぇぜ。」
「…確かにそうかもしれませんね。此処にいてもほの花さんはちっとも前みたいに笑ってくれませんから。」
「じゃあ、決まりな。」
「ええ、そうしましょう。」
胡蝶の了承を取り付けると、彼女の手招きによって近づいて来たほの花に柱として任務を言い渡すことにした。
「お前に頼みたい任務がある。この前みてェな不埒な任務じゃねぇから安心しろよ。」
任務と言われた瞬間、背筋を伸ばして顔を引き締めるほの花に口角を上げる。
「割と近くで鬼狩りしてた奴らが血鬼術の毒にやられてかなりの人数がやられてるらしい。柱が向かってるから鬼の殲滅は問題ないと思うが、向かった医療班までやられちまって救護者がいない。胡蝶に頼もうかと思ったがほの花行けるか?お前なら申し分ない。」
「わ、私でよければ…!行かせていただきます!」
ほの花ならば二つ返事で行ってくれると思っていた。
慌てた様子でしのぶとどの解毒剤を持っていくか相談をし出したので、その後ろ姿をこの一連の作戦が上手くいくように祈るように見つめた。