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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※





「ほの花?ほら、顔を上げて?まずは何の話か聞いてもいいかな?」


頭を下げたままの私に優しい言葉を下さった産屋敷様に向き合うべく、体を起こすと彼と目を合わせた。

その顔はいつもと同じ。優しくて温かい。
ふぅ…と息を吐くと膝の上で手を握り締めて言葉を紡いでいく。


「宇髄さんと継子という関係を解消することになりました。折角…ご配慮頂きましたのに申し訳ありません。」


絡んだ視線は少しも動揺することもなく、表情も変わらない産屋敷様に、まさか怒っているのだろうかと心配になったが、次の言葉に表情を大きく変えさせられたのは私の方だった。


「喧嘩でもしたのかい?早く仲直りできるといいね。ああ、だからいつもの花飾りの音がしないのか。耳飾りはしてるのかな?付けてあげないと天元が悲しむよ。」


………ん?
あれ、私、今関係を解消したと言った…よね?

あまりに産屋敷様の言葉が"ただの喧嘩"で済まされてしまっていることにすぐに違和感を感じて彼を見つめるが、尚も表情は変わらない。

ニコニコしたままこちらを見ている産屋敷様を見て、自分の言い方が悪くて伝わらなかったのだと思い、もう一度言ってみることにした。


「…えと、あの、宇髄さんとの関係を解消させてもらったので、万が一頂いた贈り物を付けていなくても彼が悲しむことはないかと…。」

「そうかな?天元は付けてくれてないと悲しむと思うよ。だってほの花のことが大好きだからね。」


あれ?
産屋敷様…私の話聞いてたのかな?
ちっとも会話が成り立たない気がして首を傾げることしかできない私を見て今度は産屋敷様が話し出す。


「多分だけどね、関係を解消したなんて思ってるのはほの花だけだと思うよ?」

「え…?!い、いえ…!そんな筈ありません。宇髄さんも了承して…」

「あの天元がそんな気持ちにそぐわないことする筈がないよ。きっとヤキモチでも焼いて口から思ってもいない言葉が出ちゃっただけだと思うよ。」


話が通じないと思ったが、産屋敷様は決して分かっていなかったわけではなく、その話の根本の考え方が間違っていると思っていらっしゃるようだった。




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