第22章 今の上官は風柱様です!※
「…わかりました。そういうことであれば…一旦様子を見ましょう。それまではほの花さんにも考える時間が必要でしょうし。」
「そうだなァ、時期を見て会わせるとは言ってきちまったから長引かせると宇髄のことだから乗り込んできて余計悪化させることも考えられる。早いうちに手をうたねぇとなァ。」
「…世話が焼ける方達です。」
「言うなって。俺だってそう思ってるけど言わないようにしてるんだぜ。」
「あなたは原因を作ったんだから言ったら駄目ですよ。反省して下さい。全く…。」
胡蝶にドヤされるだけドヤされたら少し落ち着いてくれたので命拾いしたが、下手したら此処でも毒盛られて死ぬところだった。
「…あなたの言う"時期"とやら決まったらすぐに教えてくださいね。」
「ああ、分かった。んじゃァ、一旦ほの花のところに顔出したら帰るわァ。」
不動明王は居なくなっていたようだが、胡蝶の怒りは相当のものだったのだろう。深いため息を吐くと、疲れた顔をして去っていった。
確かにきっかけを作っちまったのは俺の責任。胡蝶の叱責は受け入れるとして、やはりこのゴタゴタを解決するのも自分の責任だ。
先ほど宇髄の体調不良を伝えたほの花は大丈夫だろうか。
ひどく憔悴しているようだった。
ほの花の奴…昨日から泣き続けてるけど体の水分全部出ちまってるんじゃないか?
宇髄よりもほの花の体調のが心配になってくる。
アイツは頑丈だし、風邪ひいたとは言っていたが、今日会ったら顔色も悪くねェし、ぴんぴんしてたのは間違いないのだから。
しかし、ほの花の部屋に戻ると案の定、まだ憔悴しきっている彼女にため息を吐く羽目になった。
(…そんなに心配なら帰れば良いのによォ。)
もう三回目になるその心の声。
だが、今帰したところでちゃんとほの花のことだから途中で引き返してきそうだ。
そしてそんな自分を責めてもっと泣き出しそうな気しかしない。
此処は胡蝶の言う通り"一旦様子を見る''のがいいだろう。
俺はほの花に帰る旨を伝えると、やっとこちらをちゃんと見てくれた彼女に見送られて帰宅をした。