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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※





「そう言えば不死川さんには此処にいることになったと言わなくて良いのですか?鎹鴉を飛ばしましょうか。」

「え、と…大丈夫です!実は断られたとしても此処で待ち合わせをしていて…、荷物を持ってきてくれることになっているんです。」


しのぶさんは怒ってはいたけど、なんだかんだで不死川さんに連絡を取ろうかと言ってくれたり、優しくしてくれる。
やっと止まった涙だが、肌がヒリヒリして痛い。そこに触れてため息を吐くとしのぶさんが濡れた手拭いをくれた。


「…とりあえずこれで冷やして下さい。荷物と言うのはほの花さんのですか?そんなたくさん持ち歩いていたんです?」

「あ、いえ…そうじゃなくて、宇髄さんの家に取りに行ってくれてるんです…。私が行きにくかったので…。」

「…そういうことですか。………余計なことを…。」

「え?」

「いえ、こちらの話です。では、不死川さんがいらっしゃったら私も呼んでください。積もる話がありますので。ふふふ…。」


まさか…此処で喧嘩が始まってしまうのだろうか?しのぶさんのその時の絶対零度の笑顔が怖くて私は背筋が凍ったが、此処にお世話になる以上、彼女を怒らせるわけにはいかない。


「…わ、かりました…。」

「ほの花さんは泣き止んだのなら食事でも食べますか?」

「…あ、…えと、今は…大丈夫です。」



とてもじゃないけど食欲は無い。
昨日、おはぎを頂いて食べたが、それを食べるまで一日中飲まず食わずだったので、空きっ腹に食べてしまったせいか胃もムカムカする。
こんな状態で食べたらいつぞやの自分と全く同じ状況になってしまう。

あの時は宇髄さんが背中をさすってくれたけど、今はいないわけで。
暫く食事は生きていくのに最低限しか摂れなさそうにない。

美味しく食べれるようになる頃にはきっと心も癒えているだろう。


しかし、癒えた頃には宇髄さんと私はなんの関係もないただの鬼殺隊に所属している柱と一隊士となっていることだろう。


そんな日が来てほしく無いと思う一方で、早く忘れたいと思う自分もいる。
期待して傷つくのだけは嫌だから…。

少しでも早く元の生活に戻りたいと願ってしまう。


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