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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※





「俺は今、怒りで気が狂いそうだ。」

「…わかってる。すまねェ、俺がついていながら…。」


不死川が申し訳なさそうに謝ってくるが、謝ってきたところでどうしようもねぇ。ほの花を救出することのが先決だ。


「今し方の話か?」

「あァ、ほんの五分くらい前のことだァ。此処で消えたから隈無く探したがいねェ。風の呼吸で斬りつけてみたがァ、うんともすんとも言わねェ。」

「つーか、喰うために連れ去ったんならほの花が首斬って帰ってくるかもしれねぇな。アイツ、別に弱かねェし。」


自分で言って自分の言葉に少しだけホッとしている。そうだ。アイツはそこまで弱くはない。
血鬼術だって何度も経験しているだろうし、外側からが駄目なら内側から何としてでも出てくる気がしていた──


「……喰うためだけならなァ…。」


──不死川のその言葉を聞くまでは。



「…は?どういうことだよ。」

「お前に…言えなかったことがある。すまねェ。俺の部下は強姦された上、体の一部を喰われて絶命してた。」

「ご、強姦、だと?どういうことだ…、不死川。」

「ほの花にだけは言った。知った上で任務に臨んでくれたんだ。ひょっとしたら…取り込まれたら身動きが取れずに…と言うことも十分考えられる。」


体が怒りで震えている。
もうこの怒りを何処にぶつけたらいいのかわからない。
不死川とて、こんな状況を知り得なかったのだとすれば安易に責め立てることはできない。


強姦だと…?糞鬼風情が俺の女に指一本でも触れてみろ…。首を斬るだけにとどまらず肉を全て斬り刻んでやる。


不死川の言っていることを煮えたぎる頭で考える。
血鬼術の中はどうなってるのかわからない。外からの攻撃は無効。
強姦目的ならば事が済むまで中からの攻撃すら無効化もしれねぇ。
加えてほの花が身動き取れないようにされているならば…



おい、絶望しかねぇよ。


その場に座り込み、頭を抱えた。
雑魚鬼の血鬼術なんざ、どうにでもなると思っていたのに鬼風情が考えるものなど人間の考えでは及ばないほどの卑怯な手を使ってくることもある。


まさかその術中にいるのが己の婚約者だという。
そんな絶望、味わいたくなかった。

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