第22章 今の上官は風柱様です!※
考えろ
考えろ
考えるのは今しかない。
私の体に夢中になっているコイツをこのままにして何とか打開策を見つけなければ体をいいようにされた挙句に死ぬ。
すっかり着物は肌蹴てしまい、胸までぺろんと見えているはしたない状況ではあるが、背に腹はかえられぬと言う物だ。
生きて帰るためにはそれくらい厭わない。
それなのに恐怖心からなのか分からないが、酸素がうまく入ってこない。
「…綺麗な肌だなぁ…。んめぇな…。甘ぇなぁ?すげぇ、甘ぇなぁ?」
「…それは良かった。」
「随分と余裕ぶっこいてるなぁ?強気な女は嫌いじゃねぇけど、ちったぁ喘いでくれねぇと時間切れになっちまうからなぁ。」
「…時間切れ…?」
奴が溢した"時間切れ"と言う言葉にハッとした。
ひょっとしてこの空間は時間が限られているということ?
そうだとしてもあとどのくらい?
この鬼に最後まで捧げなければいけないほど?
脳に酸素が足りない。
頭が白っぽくなってきたのはコイツが施す愛撫のせいじゃない。
体が何かおかしいのだ。
「そうさぁ。だんだん空気が薄くなってきたろぉ?この空間はなぁ、人間が生きていられるのは30分が限界だからなぁ?」
──絶望
思っていた時間切れとは違ってもう今の状況が絶望すぎて泣きそうになってきた。
(…でも、こんなところで死にたくない。約束したんだ。明日、宇髄さんに抱き潰されるって…。コイツに抱かれるくらいなら宇髄さんに抱き潰される!!!)
狙え。
私の手を奴が離す瞬間を。
絶対に好機はくる。
体を弄られ、
胸を揉まれ、
腰を撫で回され、
いよいよ秘所に指を這わされた時、流石に悲しくて泣けてきた。
絶対に帰ると思っているけど、こんなことされるのは生涯宇髄さんだけだと思っていたのに。
涙が溢れてきても上手く呼吸ができない私は浅い呼吸を繰り返してそれに耐えるしかなかった。
「…ん?おかしいなぁ?ひょっとしてお前、不感症かぁ?ちっとも濡れてねぇじゃねぇか。つまんねぇ女。」
「…え?」
不感症?
いや、そんなことはない。
宇髄さんはいつも私のこと「濡れやすい女」って言ってた。
何故そんなこと言われたのか理解することもできないほど、すでに脳に酸素はいってない。
肩で息をするしかない私に下品な笑いを浮かべる鬼が少しだけ離れた。