第22章 今の上官は風柱様です!※
ここ最近、警備地区に出た鬼が女しか狙わないクソ野郎だと言うことに気付いたのはつい最近のこと。既に一般人は十人近く喰われていて、流石に早く手を打たなければと思い、女隊士三人に向かわせたら三人もいれば余裕かと思いきや、連絡が途絶えたので慌てて向かえば絶命していた。
しかも、胸糞悪ぃことはどうも強姦されたような跡が残っていたこと。
どう考えても鬼にヤられたとしか思えなくて拳を握りしめた。情報収集をしたところ、やはり一般人の女が襲われた時も強姦されたような跡が生々しく残っていたと言う。
通常の鬼ならば人間を喰うことに執着しているが、どうやら女を別の意味で喰うことに執着している様子。
性的に満足したら本当に食らってもいるが、優先順位は高いとは言えない。
だとしても少しずつ着実に食ってはいるので、力は増大はしているため、階級の低い女隊士は連れて行けない。
そこで白羽の矢が立ったのが、栗花落カナヲと神楽ほの花。
二人とも強さに申し分はないが、俺としてはできれば宇髄のことがなければほの花を第一選択にしたかった。
内容が内容なだけに、恐らく生娘だと思われるカナヲより宇髄に手篭めにされてる(?)ほの花のがトラウマになる確率が低いし、理解も早いだろうと踏んだためだ。
だが、如何んせん最初にして最後の砦といえる音柱宇髄天元はほの花を溺愛していて、そんな任務を伝えようものなら柱同士で殺し合いになるところだ。ただでさえ先程の機嫌の悪さと来たら頭が痛いというのに。
それもあって
詳しいことを宇髄に言うことはできなかった。
ほの花にも今から厳命しなければいけない。
要するに何にもなけりゃァ、隠し事してないのと同じことだ。
鬼殺隊の任務とは言え、今回は色んな意味で骨が折れるので俺は人知れず大きなため息をついた。