第22章 今の上官は風柱様です!※
「何だ、不邪魔川!要件は手短に話せ!俺は今からほの花を抱くところ…」
「抱かれません!不死川さん、こんにちは!!」
力いっぱい宇髄の顔を遠ざけるほの花だけど、腰は引き寄せられたままで捕獲されている状況。
どうやら俺は訪問時間を間違えたらしい。
いや、間違っちゃァいねェ!今は真っ昼間の午後二時だぞ?!
訪問するならば絶好の時間帯のはずだ。
コイツら…いや、宇髄の野郎の盛った時間帯が間違ってる。
絶対に俺は悪くねェ。
「…とりあえず、お前はほの花から退けや。」
「はぁ?俺の女を押し倒して何が悪ぃ!」
いや、何が悪ぃって…、助け求めてんだろうがァ…。
明らかに合意じゃないのは丸わかりのその状況にほの花の肩を持ってしまうのは仕方ないことだ。
「…不死川さぁーーん!助けてくださぁーい!」
「だからテメェは何でアイツに助け求めるんだっつーの!」
「だって宇髄さん、ちっともやめてくれる気配ないんだもん!!不死川さぁーーん!」
「わぁーったわ!やめるから他の男の名前呼ぶな!胸糞悪りぃな!」
やっとのことほの花の上から退いた宇髄は完全に不貞腐れているが、この場合俺とほの花は悪くねェ。テメェの性欲問題だろうがァ…。
「あ、し、不死川さん…!立ち話もアレなので…!どうぞ!お茶をお持ちします!豆大福もあります!」
乱れた隊服を整えると立ち上がって部屋の中に入るように促して、恥ずかしそうに…逃げた。
まぁ、ほの花の心情を考えればそうなるのは致し方ない。
情交を見られたわけではないが、あの状況で宇髄の理性が切れてたら最中に遭遇する可能性だったわけだ。
「…お前、時と場合を考えろよなァ。」
「うるせぇな。クソ可愛い顔するもんだから止まんなかったんだわ。あー、邪魔だわー。」
コイツに反省という感情はないのか。
尚も情交できなかった不満しかないようで俺はため息しか出ないが、コイツらの関係性ならではのことだろう。ほの花が優しいからいいものを、宇髄は一回痛い目に遭うと良い本気で思う。