第22章 今の上官は風柱様です!※
ほの花が泣きながら縋り付いてきてから一週間経ったが、だいぶ立ち直ったみたいでいつものほの花に戻りつつあった。
はっきり言えば、隠し事の内容を知るか知らないかよりも、コイツが元気か元気じゃないかの方が自分の中で遥かに重要だったようで、いつもみたいな笑顔を見た瞬間、嬉しくてたまらなくなった。
それが今のこと。
豆大福をたらふく食べさせてやろうと思って買って帰ってきたら花ような笑顔を向けられた。
それだけでも胸がトクンと疼くと言うのに、はむっと大福を食べるほの花が俺の肉棒を食べる時と同じに見えてしまって、こんな時間なのに欲情してしまった。
後ろから抱きしめても、口付けても全然抵抗もしないし、受け入れてくれるほの花にそのまま事を進めてしまおうと思ったのに、突然胸を押して拒否してきた。
こちとらもうやる気満々で滾った肉棒を腰に擦り付けてやるが、顔を真っ赤にして首を振るほの花に不満が溜まる。
同居人六人は何やら買い物に行くとか言って先ほど出かけた。
よってこの家には誰もいない。
外だから嫌だと言うなら、この家は塀に覆われてるし、誰かに見られることはない。誰かきたとしても気配で分かる。
昼間からなのが気に食わないとしても昼間っからヤることがないわけではないので、その理由は却下。
結論、問題なし。
それなのに頑なに拒否してくるほの花を何とかその気にさせようと再び口付けてその場に押し倒してやったところで、聞いたことのある足音が聞こえてきて眉間に皺を寄せた。
(…はぁー……、邪魔が入ったか。)
急に庭に降り立った見たことのある隊服に背中に「殺」の文字。
「今日からお前の名前は不邪魔川(じゃまずがわ)に改名しろ。」
「はぁ?っておおーーーい!!そんなところで盛んな!」
「あああ!不死川さんーー!助けてくださいーー!!」
「誰に助け求めてんだよ!お前は俺の女だろうが!」
邪魔をされた事で俺の機嫌は最悪。
邪魔をされたのにも関わらずほの花が手を伸ばす先が不死川改め不邪魔川だもんだから余計に俺の不満は溜まる一方だ。