第3章 立ち振る舞いにご注意を
「て、天元様…めちゃくちゃ怖かったね…。」
「完全に頭に血が上ってたわね。」
「ほの花さん、泣いて帰ってくるんじゃないですかぁ?!私が慰めてあげないと…!」
宇髄様の奥様達もこう言うように、あの時の凄みは一瞬冷や汗がでた。
自分達が万が一、鬼であったならば瞬殺で首を斬られていたことだろう。
「何で三人だけで帰ってきたんですか?」
まきをさんが不思議そうにそう聞いてきたので向き合って理由を話すことにした。
「ほの花様が宇髄様に置き手紙をしたって言っていたので先回りしてそれを破棄して後から連れて帰ってこようと思ってたんです。」
こちらも必死だったのだ。
慌てて帰ってきたのに完全に出遅れてしまったようで、彼は手紙を手に持っていたので裏工作してなかったことにしようとしたのに間に合わなかった。
「あぁ…!そう言うことだったんですね…。それは御苦労様でした。大変でしたね。」
「いえ、元はと言えばうちのほの花様のぶっ飛んだ考えによるもので止められなかった我々をお許しください。」
「皆さんのせいじゃないですよぉー!でも、あんなに怒った天元様初めて見ましたー。おっかなかったですね〜。」
雛鶴さんが慰めて労ってくれ、須磨さんは我々の体感を言葉にしてくれて幾分か救われたが、不死川様が完全に巻き込まれた感があるのは非常に申し訳ない。
改めて今度お詫びに伺わないといけない。
「あの二人ってまだ恋仲じゃないんですよね?知ってます?」
そんなことを奥様の立場で言うのだからやはりほの花様の贈り物は見当違いだったと言える。
「いえ、存じ上げませんが。皆様は夫である宇髄様がほの花様とそう言う関係になってもいいのですか?」
核心を突くような質問をしてしまい、出過ぎた真似かとは思ったが、流れで聞いてしまった。
気を悪くするようであれば謝ろうとした瞬間、三人が三人とも笑い出したことでその場の空気は一変した。