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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第21章 桜舞う、君との約束※







何百年もの間、神楽家に女児が産まれなかった上にどこから嗅ぎつけたから知らないが無惨の襲撃を受けて、里は全滅したと聞いた。

もう終わった…。
また振り出しに戻った。他の手立てを考えなければいけない。無惨を倒すために神楽家に女児が産まれるのを待ち続けていたと言うのに…。
私は絶望で暫くの間、愈史郎に心配されるほど放心状態になっていた。

だから産屋敷家に神楽家の長女が訪ねて行ったという噂を聞いて絶句した。
私の情報網を持ってしても女児が産まれたことなど聞いたことがなかったから。それほどまでにひた隠しにして、大切に大切に育ててきたのだろう。
神楽家が薬師の女を娶ってきたのは女児が生まれた時に無惨を打つための薬を作るために他ならない。
宗一郎に嫁いだ灯里は昔、医術を教えた弥古都と言う弟子の子孫。いつ出国したかは知らないが、いつの間にか異国にいたとは。通りで連絡が途絶えた筈だ。
だから、弥古都の子孫である灯里が神楽家に嫁いだのは恐らく偶然だ。しかし、それすら数奇な運命としか思えない。

医学に優れた国出身の灯里を娶ったことで神楽家もまた鬼舞辻無惨を討つために時期を窺っていたはずだ。

宗一郎から話を聞いているだろうし、灯里とて恐らくほの花の血液を使って何らかの研究はしていた筈だ。恐らく志半ばで命を落とした。




女児が産まれていたと言うことを聞いた瞬間、私は激しく動揺し、感動で打ち震えた。


やっと…


やっと…


鬼舞辻無惨を倒すための条件が揃ったのだから。



あの襲撃の時に無惨にほの花が見つからなかったことは不幸中の幸いとしか言いようがない。
彼女こそ無惨を倒す鍵となる人物。



亡き弟子の子孫である灯里の志を引き継ぎ、絶対に薬を完成させると私は天に誓った。


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