第21章 桜舞う、君との約束※
「ほの花、宇髄さんに愛想尽かしたら俺が嫁にしてやるから安心しろよ!」と最後まで宇髄さんに喧嘩を売って家を出て行った琥太郎くん達を見送ると、暴れていた宇髄さんに目を向ける。
「…もうー、宇髄さん。子どもなんだからそんなムキにならないでよー。」
既にそこには私たち二人しかいない。
触らぬ神に祟りなしとでも言うかの如く、あの六人は見送った途端に私たちを置いて居間に行ってしまった。
「…十五の男と風呂入って、俺に愛想尽かしたら嫁に来いって言われた浮気モンの婚約者に言われたくねぇ。」
「お、お風呂は悪かったと思うけど…!浮気はしてないよー!」
「させるか。余所見なんて絶対させねぇからお前もこれ以上男に好かれるのやめろ。」
そんな無理難題を言われても…。
男に好かれるかどうかとは自分ではどうすることもできないこと。それにそもそもそこまで男の人に好かれた経験もないのに、何故そんなこと言えるのかわけがわからない。
琥太郎くんの捨て台詞だって、最後まで宇髄さんと喧嘩腰だったからで流石に歳が離れてるし、年頃になれば年上女房なんて嫌だと思うだろう。
「…宇髄さんこそ浮気とかしないでくださいね…。」
「するか!俺はお前以外勃つ気がしねぇ!」
「昼間っから変なこと言わないでくださいよ!!」
最早そこにわたしたちを止める人が残っていないのだから、この場を収めるのは自分達以外いない。
仕方なく興奮状態の宇髄さんの手を掴むと部屋に引きずるように向かう。
「お?何だよ。俺の気をおさめてくれんの?」
「昼間っからそんなことしません。」
「ちぇっ…。仕方ねぇな。夜まで我慢すっか。」
つい最近、朝まで抱くという所業を何日続けたと思っているのだろうか。
彼のこの絶倫具合に私は頭を抱えるしかなかった。