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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第20章 未来花嫁修行※






ほの花の部屋に戻ると先ほど置いた場所から微動だにせずに目を瞑っている彼女が目に入る。
襖を静かに閉めると、出しておいた夜着は着られることなくそこに置かれたまま。

いつものほの花なら遠慮して一人で着ようとするだろうにその気配もないところを見ると先ほど言っていた通り"体が動かない"のだろう。


「ほの花、服着替えさせてやっからちょっと起こすぞ?」


断りを入れて体を抱き起こしてやると薄っすらと開ける目に自分が映る。
相変わらず顔色は悪いし、ぼーっとした表情はいまの状況を必死に整理しているようにも見える。

隊服を一枚ずつ脱がしていくと、否が応でもほの花の白い肌が見えてしまい、必死に己を律する。恋仲であるのだからいつもであればこの時点で押し倒してやって、露わになった体にむしゃぶりついてやるところ。

だが、いまは明らかに体調不良のほの花。
こんな体の彼女を押し倒そうものなら人格を疑われる。


「…宇髄さん、ごめんね。心配かけて。」


心を無にして隊服を脱がし終えると夜着に袖を通してやっている時にほの花がそう謝ってきた。その表情に力は無いが、しょぼんとして本当に反省していそうだったのでため息を吐いて頭を撫でてやる。


「おー。まぁ、その内ぶっ倒れる気はしてたからよ。想定内だわ。」

「…凄いなぁ…、私、全然分かんなかった…。」

「お前は自分に興味なさすぎだろ。人の体より自分の体を診てやれよ。体壊したら元も子もねぇだろ。」


息を吐く暇もないほどの忙しさに追われていたため、所謂極限の興奮状態が続いていたのだろう。ぷつんと糸が切れた凧のようにふわふわとしているほの花。
その姿を見るだけで痛々しいが、反対に体が限界に来て倒れてくれてよかったとも思える。
疲労で死ぬ奴だっている。
自分が帰ってきたら嫌がっても取っ捕まえて休ませようと思っていたので遅かれ早かれ、布団と友達になっていたと思う。

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