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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第3章 立ち振る舞いにご注意を





「そ、そうなんですか…!?知りませんでした!明日帰ったら宇髄さんにお礼を言わないと…!教えて下さってありがとうございます。」

その場で頭を下げると何だか気恥ずかしくてもう一口おはぎを頬張った。先ほどまではおいしいと感じていたおはぎも今は味なんて分からなくて頭の中は宇髄さんでいっぱいだ。


「…明日?何で明日なんだァ?今日帰ったら言ってやればいいだろうがァ。」

「あ、えと…今日は…帰らないんです。」

「はァ?喧嘩でもしたのか?」

「全然!そんなことはありません!」

そうか。帰らないと聞くと喧嘩したから帰れない人だと思われるのか。
そりゃそうか。でも、特に喧嘩などしていないし、むしろいま私は彼に最上級の贈り物をしている真っ最中なのだ。


「宇髄さんは今日お誕生日なんですよ!」

「……それとこれの何の関係があるんだァ?」


不死川さんも正宗達と一緒で乙女心がわかっていないようだ。いくら柱でも得手不得手はあるだろうし、乙女心など鬼を倒すのに必要ないと言えばないのだから当然だ。


「今日は宇髄さんと奥様達だけの夫婦水入らずの日にしてもらおうと思ったんです。いつも私たちがいてお邪魔虫しているので誕生日くらい楽しんでもらおうと思って!」


「……そうかァ。お前は阿呆なのか。」


………何ですと?
不死川さんにまで苦言を呈されるとは思っておらず飲んでいたお茶を誤嚥しそうになる。
やはり乙女心は分からないようだ。


「阿呆とはなんですかーー!一番嬉しい贈り物だと思いませんか?!」

「思わねェ。」

「なっ?!」


まさかの全否定にさすがの私も狼狽えた。
何故揃いも揃って折角考えたお誕生日のお祝いに否定的なのだ。


「おい、まさか本気で言ってんじゃねェよなァ?」

「え、ほ、本気ですけど…。」

「…宇髄の野郎が不憫に思えるぜ。」


ハァ…とため息を吐くとぐびぐびとお茶を飲み干してじとーっと私を見る不死川さん。
その顔は本当に呆れているようで段々落ち込んできてしまった。

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