第20章 未来花嫁修行※
ちゃっかり朝の一発を頂いた俺が起きたのは9時過ぎ。
なのにまたもやほの花は腕の中にいない。
…が、近くにはいた。
「あ、おはよう!起きた?」
「派手に不満が溜まった。お前何してんの。」
「ええ?!何って…薬作ってる…。」
「そんな立て込んでんのか?お前さ、ちょっと働きすぎだって。マジで休め。」
まだ時刻は9時過ぎ。明け方に抱いたのが5時過ぎで、眠りについたのが6時頃。
しかし、そこには既に大量の薬が置いてあって、少なくとも一時間は此処で作っていたのだろう。
既に隊服を着て、身だしなみも整えているほの花は苦笑いを浮かべているがやはりクマが気になる。
「あの、昨日休んだばかりなんだけど…。」
「じゃあ、昼寝でもしろ。」
「ええ?!今日はこれを作るのと鍛錬くらいしか予定はないよ?だから大丈夫だよ。」
確かにほの花から言われた予定はそこまで多くはない。しかし、何故だかほの花が凄く無理をしているような気がしてならなかった。
体に触れてみても熱はないし、顔にクマがあるだけ。
寝ろと言っても体調が本当に悪くなければほの花とて"何で?"となるのは肯ける。しかし、直感的に明らかにほの花のいまの仕事量が柱並み…いや、家での薬の調合も入れたらそれ以上だと感じていた。
本人は大丈夫だと言うが、このままだと確実に体を壊すと本能が言っている。
「宇髄さんは今日、夜任務に行くんでしょ?はい。お薬持っていってね。」
そう言って手渡された薬を受け取るが、今日から任務がまた少し遠いため三日ほど家を空けないといけない。
その間のほの花のことが気になって仕方ない。
夜まで時間があるから注意深く見ていると、やはりほの花が少しの休憩も取らずにずっと動き続けていることに気づき、慌てて休憩を取らせた。
それなのにほの花はそんな俺の行動すらキョトンとした顔で見ていて、嫌な予感が的中してしまうような気がして、不安が頭を覆い尽くす。