第20章 未来花嫁修行※
「えー、琥太郎くーん?もう出ちゃったのー?お姉ちゃんは寂しいよー?戻ってきてー!」
そんなこっだろうと思った。血の繋がりもない男を弟だと言って簡単に一緒に風呂に入る自分の恋人に頭を悩ませるしかない。
しかも、アイツ、琥太郎をいくつだと思ってんだよ。流石の俺も苛つく。
「そんなに寂しいなら俺が一緒に入ってやるわ。」
「…へ?!う…、宇髄さん?!あれ、えー?琥太郎くん見なかった?!」
「アイツなら今、服着て出て行ったぜ。」
「えー?!そうなのー?何だ。本当に行っちゃったんだ。ガッカリー。」
「聞くけどよ…お前、自分が何したか分かってんの?」
何がガッカリなんだよ。こりゃ本気でお仕置きだな。コイツ…。こちらがジト目で見てもどこ吹く風のほの花にため息を吐く。
「…何って、もう残り僅かだから背中でも流してあげようかと思って…、駄目だった…?」
「駄目に決まってんだろ。お前アイツがいくつだと思ってんだよ。」
「え?10歳くらいでしょ?」
それを聞いて潔くこの行動の意味を理解せざるを得なくて俺はその場にしゃがみ込んだ。
(…自分の女ながら、何つー阿呆。だから放っておけねぇんだよなぁ…。)
怒りはあるものの、ほの花のその発言が分からないわけでもないし、今回はあの時点で出てきた琥太郎に免じて許してやるしかないが、少しくらいお仕置きはしてやらねぇとな。
「アイツ、15だぞ。」
「………はい?…え?えええ?!う、うそ!?」
「嘘ついてどうすんだよ。アイツに直接聞いたんだから間違いねぇよ。どうせこんなこったろうと思ったけどよ。お前は俺以外の男と風呂に入るんだな。へぇ、そうか。なら俺も他の女と風呂入っても問題ねぇなぁ?」
俺の言葉に目を見開いて驚愕の表情を浮かべるが、すぐに顔面蒼白にしてわなわなと震え出すので呆れてため息しか出ない。
小さな声で「ごめんなさい」と聞こえてくるが俺は追及の手を緩めない。
たまにはその無防備なところを反省してもらおうか。