第20章 未来花嫁修行※
15歳?
え?!10歳じゃなくて?!
でも、15歳にしては小さめ…。いや、自分が大きいからそう感じたのかな。
どちらにしても宇髄さんから発表されたとんでもない事実に私は全身に鳥肌が立った。
絞り出すように「ごめんなさい」と伝えても、宇髄さんが怒るのも無理はないし、琥太郎くんがタオルを巻けと言ってくれたことにいま物凄く感謝している。
素っ裸を晒したわけではないという事実だけが安心材料だが、目の前の愛おしい恋人の顔を見られない。
"俺も他の女と風呂入っても問題ねぇなぁ?"
もちろん冗談だとは思う、けど…、そんなことされたら嫌だし、私ならきっと嫉妬で怒り狂うと言うのに宇髄さんは冷静にこちらを見ていることにどれほど我慢してくれているかを分かってしまって申し訳なさが募る。
「あ、あの…怒って、ます、よね?」
「すげぇ怒ってる。」
「ですよね…?」
「琥太郎じゃなかったらもっと怒ってたな。タオル巻いてたから良いってもんじゃねぇぞ。」
それはそうだ。
5歳しか違わない男の子と風呂に共に入った事実は変わらない。
「…仮に弟みたいに可愛がってたって血の繋がりはねぇんだから俺はすげぇ嫌なんだけど?」
「は、はい。ごめんなさい。もう二度としません…!」
「あーあ。俺も胡蝶ンとこのカナヲと風呂入っちまおうかな。」
「え、えーー!?やだー!」
「こっちは今そう言う気持ちなんだけど?」
ああああ…めちゃくちゃ怒ってる。
ピリピリと宇髄さんから発せられる空気が痛い。針の筵だ。
それでもこれを耐えることしか私に道は残されていない。
「お前な、本当に無防備過ぎンだよ。こっちの身にもなれ。」
「…うう、は、はい。」
「お前は俺の女だって自覚あんの?」
「い、一応…。」
「一応…?」
「あ、あります!!派手にあります!!」
すると突然、着ていた着流しを脱ぎ捨てる宇髄さんに思わず視線を逸らす。
いくら何度も体を交えているとは言え明るいところで彼の裸を見る勇気はまだない。
そんな私を知ってか知らずか湯船にいた私を引き上げるとバスタオルを剥ぎ取った。