第20章 未来花嫁修行※
「嫁が多過ぎると思っていたが、一人に絞った上に此処まで大事にしてるのであれば問題はないと思う!」
「私は!私はほの花ちゃんが幸せならいいと思いますーっ!」
ニコニコと目の前の二人が楽しそうに喋っているが、隣にいる宇髄さんは眉間に皺を寄せるばかり。
「…あ、あはは…。ありがとう、ございます。」
「はいはい。つーか、お前らも甘味食べに来たかったのかよ?」
「いや!二人が行くと言うから付いてきた!!」
「私は煉獄さんについて来ましたっ!」
「テメェら派手に邪魔だな、おい!!」
わたし的にはあんな口づけをされた後だったので、あれ以上道端で恥ずかしいことをされると身が持たないので助かったと思ってしまったが、宇髄さん的には今の言葉が本音だろう。
二人きりで過ごしたいと思ってくれていたのが分かり嬉しい反面、だったら道の真ん中で激しく口づけをするのはやめてほしいというものだ。
「あ、あの、でも…煉獄さんとは初めてお会いできたし、蜜璃ちゃんとも会えたし、一緒に甘味が食べれるのは嬉しいです。………私は。」
その瞬間、隣にいる人の顔を見れなかったが、前にいる二人がニッコニッコ笑ってくれるので視界を狭めて彼らだけをみるようにした。
「ほの花は甘味が好きなのだな?だから宇髄が連れていこうとしていたんだろう?」
「あ、はい!大好きですー!食べ過ぎてたまに怒られちゃいますけど…。」
「食い過ぎなんだわ、お前は。」
「えー!ほの花ちゃんが大食いの印象はないわー!?家に来た時もそんなに食べていたかしら…?」
別に大食いと言うわけではない。
甘味だとたくさん食べられるというだけで、人より食欲があると感じたことはほとんど無い。
宇髄さんが「甘味だと永遠に食ってる」と前にアヤメちゃん言った言葉はあながち間違いでもなく、本当に甘味ならばたくさん食べられると言うだけ。
ただ永遠には食べない。
ちゃんと満腹中枢はある。
「里にいる時に母が作ったおはぎを百八十個食べちゃって流石にその時はお腹がはち切れるかと思いました。」
「「「百八十個?!?!」」」
でも、自分の感覚が少しだけズレていると感じたのはこの反応を見れば明らかだ。