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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第20章 未来花嫁修行※





待っていてくれた店主の人に頭を下げると、「どうぞ」と店の奥に案内された。
宇髄さんはここの常連らしくて、男性の従業員の方からお茶まで出されて寛いでいる。私を見るとひらひらと手を振られるので頭を下げた。


「宇髄様が此処に女性を連れてこられたのは初めてのことです。」

「え?そうなんですか?」

「はい。宇髄様のご紹介で三名の女性がいらしたことは何度かありましたが、同伴でいらっしゃったのはあなたが初めてです。」


それを聞いて雛鶴さんとまきをさんと須磨さんだと安易に想像ができたが、一緒にきたのが自分だけだと言うのが嬉しい。

特別扱いしてくれているみたいに感じて心が暖かくなる。


「とても大切な女性なんだろうなとすぐに思いましたが、婚約者の方だったんですね。おめでとうございます。」

「あ、いえ…その…。あ、ありがとうございます。」

婚約者と紹介してくれたのは嬉しいが、「おめでとうございます」と言う言葉はまだしっくりこない。
まだ結婚の予定すら立ててないのに、きっと私が不安にならないようにそう言ってくれているのもあるため、こういう時どうしたらいいのか分からなくなる。

お礼を言えばいい?
"予定は未定"ということをちゃんと伝えた方がいい?

どちらが正解かわからず、お礼を伝えてしまったが、やはりどうもしっくりこない。


「宇髄様は懐が大きくて男らしい方なのできっと幸せな花嫁さんになりますよ。」

「…はい。本当にありがたいです。彼がいなければ貰い手がなかったかもしれませんので…。」

「ふふふ、ご謙遜を…。さて、採寸をしますので一旦着物を脱ぎましょう。」


店主の方はそう言うと巻尺を取り出してにっこりと微笑んだ。
採寸と言うのはいつしても少し恥ずかしい。
宇髄さんと一緒にいれば気にならない背丈も女性の前だとやはり自分は大きいし、目の前の小さな女性では採寸も大変だろうと申し訳なくなるからだ。

しかし、ここは呉服屋。
浴衣を仕立ててくれると言うのにそんな遠慮をするのもおかしいので諦めて着物を脱ぎ始めた。



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