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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第3章 立ち振る舞いにご注意を




狼狽えて固まってしまった自分にゆっくりと話し始めた。落ち着いた声色はまるでぬるま湯にいるかのように心地よい。

「…神楽家と産屋敷家はずっと内密に連絡を取り合っていた同志のようなものなんだ。鬼を…鬼舞辻無惨を倒すためにね。」

「同志…?」

「うん。産屋敷家は鬼殺隊を作り、呼吸を使う剣士を何人も生み出した。その間神楽家は陰陽道を絶やさないように伝統を守り続けていた。お互い定期的に連絡を取り合い、虎視眈々と鬼舞辻を倒す好機をずっと狙っていた。」

彼の見つめる先には美しい庭園と彼のお子様達の遊ぶ様子が目に入り、話の内容に相応しくないほどの平和な光景に鬼なんていないのではないかと錯覚を覚える。

「…恐らく君の里を襲ったのは十二鬼月の中でも上弦の鬼だろう。そうでなければ宗一郎さんや君の兄君達が敵わないはずがないからね。」

「…上弦…?」

「鬼舞辻無惨によって選別された選りすぐりの精鋭だよ。"柱"でも太刀打ちできるかどうか、僕にもわからないんだ。」

"柱"でも太刀打ちできるかどうか…と聞いた瞬間真っ先に浮かんだのは宇髄さん。
そんな…あんなに良くしてもらってる彼が居なくなってしまうかもしれないと考えただけで体が震えた。

鬼との戦いにおいて全滅させられた里を見ているのにどこか"柱"の人なら大丈夫なのでは?と甘えた考えがあったことが恥ずかしくなった。

人はいつか絶対死ぬ。
でも、その時をどう迎えるかを鬼によって決められるなんて絶対に嫌だ。

「…陰陽道において一番の武器だったのは鬼門封じ。君も使えるね?」

「はい…。父に仕込まれました。」

「これからの戦いにおいて鬼門封じは鬼を追い詰める奇策となる可能性が高い。だから君には基礎体力や戦い方を知る必要があると思って天元に頼んだんだ。」


…そうだったのか。
でも鬼門封じは鬼の動きを封じて、攻撃を無効化する技だが、もしきちんと発動させていたのであれば父や兄は死ななかったはずだ。
要するに上限の鬼はそれほどまでに攻撃が早く、技を発動する前に力尽きてしまったのだろう。



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