第19章 まだ見ぬ先も君といたい。【其の弍】※
下からの突き上げに天を仰ぎ、その衝撃を受け流すが、彼から与えられる快感にいつも最終的には絆されてしまう。
「っあ、んっ!はぁ、っ、やぁっ、ッッ!うず、さ…!」
「は、ッ、くッ…、ハァっ…。」
至近距離で向き合ったままの彼の表情が堪らなく好き。
情交の時にしか見られない色っぽいそれは自分しか見られない特別なもの。
だからついついこう言う時間に口づけをされると目を閉じるのを忘れがち。
今も唇を塞がれていると言うのに彼の顔が見たくて忘れてしまった。
「目、っ、閉じろッて…。」
「あ、っん、だ、ぁ、って…、かお、みたかったんだもん…っ!」
「…っ、余裕…あんじゃねぇかよ…。」
違う。
余裕なんかない。ただ見惚れてただけ。そこに己の意志はそこまでない。
宇髄さんと私の結合部からはぬっちゃぬっちょ、と粘着質な水音が轟いていてとても冷静ではいられない。
背中に感じるのは冷たい壁。しかし熱い彼の体に挟まれると言いようのない高揚感を感じる。
もっと彼を感じたい。
いつかは彼の熱い飛沫を中で感じて、子を宿して、家庭を築きたい。
そんなことまでぼんやりと思い描けるのは彼が私を婚約者として扱ってくれているから。
琥太郎くんと言い合っていても、男の子が産まれたならば、こんな風に喧嘩するのかな、なんて考えが浮かぶ。
これは夢だろうか?
現実だろうか?
白っぽくなってきた頭では冷静な判断はできない。下からの突き上げによる甘い痛みを感じながらも胸の頂にザラザラとした舌の感触で刺激を与えられると天国はそこまで近づいている。
今度はちゃんと目を閉じると目の前にいる宇髄さんに口付けた。
舌を絡ませ合い、歯列をなぞられ、唾液を交換するほどぐちゃぐちゃになる深い口づけをされながら私の意識は一瞬飛んだ。
気をやってしまったのだと気付いている筈なのに宇髄さんは先程の言葉通り止めてくれなくて彼が果てるまで挿抜が続けられた。
甘く溶け合った私たちのその行為は
太腿に熱い飛沫を感じると
終わりを告げる。
やっと彼の布団に降ろされるとお互い引き合うように抱き合ってそのまま微睡に意識を手放した。