第19章 まだ見ぬ先も君といたい。【其の弍】※
「んああっ、あっ、あ、っん、ふぅ、っ…!」
「ほの花っ、気持ち、いいか?」
「あ、ひっあ、ッッ!」
言葉にならずにコクコクと頷くほの花に漸くホッとした。痛いままにさせるわけにはいかないし、自分だけ気持ち良くなるわけにはもっといかないから。
幸いなことに大量に分泌された蜜が奥にまで届いたことでほの花の身体が弛緩して、甘い声が響き出していた。
この声を聞いてしまえば、あとは自分の欲の思うままにほの花を抱ける。
しかし、やっと安心したと言うのに今度は背中しか見えないことが不満になってきた。背中越しに見るほの花はうなじまでしっかり見えて随分と厭らしいが、善がっている顔まで見れないことに舌打ちをしてしまう。
それどころかほの花はもう虫の息だ。
立ったままのこの情交は彼女にとってみたら地獄でしかないだろう。
一人で立つことはままならず、腰を支えてやることで何とかこの行為は成り立っているのだから。
こうなってしまえば、布団に押し倒してやればいいと言うのに今日はそう言う気分になれない。
「一旦抜くぞ」と断りを入れてから肉棒を抜き去ると一度抱き上げて反転させた。
そうするとやっと彼女の綺麗な顔が見られて口角を上げる。
「…やっぱ、最後はほの花の顔を見ねぇとな?可愛く善がれよ?」
「…わ、たしも…うずいさんの顔、みたかったから、うれしい…。」
「…そうか。」
「うん…。うずいさん、ぜんぶすき。だいすき…。」
うわ言のようにこぼれ落ちる愛の言葉は麻薬のように脳を溶かしていく。
ほの花の体を壁につけると抱き上げたまま奥に向かって突き上げた。
「ッッ、ああああっ!!やぁ、んっ!」
「ん、なこと言って、もう、最後まで止められない、からな…っ、覚悟しろ…!」
細い足を抱え上げると手を彷徨わせたのでそのまま首に回させた。
一気に近くなる距離にほくそ笑むと赤く上気した顔のままほの花もふわりと笑い、そのまま口づけをして来た。
こんなことは滅多にないことなのでここぞとばかりに舌を差し込んで口内を犯してやる。
苦しそうに漏れ出る声と唾液をも全て舐め取り、彼女を堪能した。