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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第19章 まだ見ぬ先も君といたい。【其の弍】※





「琥太郎くん。とりあえず抜けたから大きく息吸って〜、吐いて〜。もう一度吸って〜、吐いて〜。よく頑張ったね。偉かったよ。」

「こ、こ、子ども扱い、すんじゃねぇっ!」

「ふふ、ごめんね。私なんて小さい頃母親に無麻酔で怪我の縫合されてチビって失神したことあるよ。」

「…お、お前の母親、すげぇな…。」


「あははっ」と笑っているほの花だが、俺も全く琥太郎と同意見で固まった。
でも、琥太郎と話しているほの花があまりに慈悲深くて神々しくて、何だか天使でも見てるような気分になった。

手は血みどろで、惨状としては笑いが起きる場にはとても思えないのに、隣で母親の看病をしていた雛鶴がこちらを振り返るほど和やかな雰囲気だ。


「でも、これからまだその縫合もしないといけないの。我慢できる?」

「…!?お、終わりじゃねぇの?!」

「え…終わってもいいけど、万が一此処から感染して、壊死すると左足切断になるけどいい?」

「我慢すっか!!早くやれ、ほの花!!」

「ん、わかった!宇髄さん、薬箱から縫合セット出してくれる?手前にある布に巻いてあるやつ。」


言われたところを見るとお目当ての縫合セットが目に入るのでそれを取り出すとほの花に渡した。
派手に脅された琥太郎がビクビクしてこちらを見ているが、心の中で「もう諦めろ…」と窘めてやることしかできない。


渡した縫合セットを広げると針と糸を持ってにんまりと琥太郎を見るほの花。
ビクビクして俺に助けを求めてくるが、今回に限ってはほの花に意見は言えない。


「琥太郎、手握ってやろうか?」

「なっ?!お、おっさんと手なんか繋ぐかよ!」

「じゃあ、頭撫でてやるよ。」

「やーめーろーー!!」


最早風景のようなその言い合いをほの花は気にもせずに作業を進めていて、チラッと目が合うので、俺はそのまま琥太郎と言い合いをすることにした。





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