第3章 立ち振る舞いにご注意を
「おはようございます。」
「あれ?ほの花さん!おはようございます!」
朝起きて、身支度を整えると此処にきてから初めて台所に顔を出した。もう体調も良いし、三食も作ってもらいうのは悪いと感じ始めていたので、朝駒の支度を手伝おうと思ったのだ。
「私もお手伝いさせて下さい。いつまでも客人では申し訳ないので…。」
「ええ?!大丈夫ですよ?そんな…ほの花さんに…。」
「師匠にもやったら駄目とは言われておりませんので!じゃあ、私はお米研ぎますね。」
まだ雛鶴さんだけしかそこにはいなくて、彼女の指示を受けながら準備をしていると、まきをさんと須磨さんが入ってきた。
四人いれば随分と早く出来上がってしまったので、私たちはその場でおしゃべりを始める。
こう言う普通の女同士の付き合いは久しぶりで自分も"女の子気分"が味わえて少し嬉しい。
「あ、そういえば!ほの花さん知ってますか?今日は天元様の誕生日なんですよーー!」
「えええ?!し、知らないです!そうなんですか?!」
そんなこと昨日は一言も言っていなかった。
深夜まで一緒にいたのに。なんなら日付が変わった時一緒にいたのは自分で、本当ならばこの中の誰かと…いや、全員と過ごすはずだったのではないかと気が気でない。
「そうなんです。だから今日の夜は天元様のお誕生日のお祝いをするのでほの花さんもお手伝いしてくれますか?」
「はい!それは勿論!あ…でも、言われた準備運動をしたら午後から産屋敷様のところに行かないといけなくて…。なので午前中にお手伝いさせてもらえますか?」
「もちろんですよぉーーー!天元様もきっと喜ぶと思います!!」
いや…。きっと宇髄さんは私たちがいない方が良いのでは…?
だってせっかくの誕生日なんだから家族水入らずで奥様達と過ごしたいに決まっている。
絶対私とか正宗達はお邪魔虫だ。
そこまで考えると朝駒の後、正宗達を呼び止めた。