第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
俺の胸の辺りで顔を赤くしたり、急に青くしたり…百面相をしているほの花がクソ可愛い。
そして大体その表情の意味が分かってしまう俺は笑いが込み上げてしまってつい吹き出してしまった。
一頻り笑い、昨日のことを謝るとやっと笑顔になってくれたほの花にこちらまで顔が緩んでしまう。
「体は?大丈夫か。」
「大丈夫!宇髄さんはその…ちゃんと…。」
「心配しなくてもほの花が寝ちまった後、ちゃんと出した。勝手に体使って悪かったな。」
「え、いや!違くて…!私が寝ちゃったから…。」
申し訳なさそうに俯くほの花だが、端から最後まで起きていられるということは期待していないのでそんな落ち込む必要はない。
それでも真面目な彼女は任務を遂行できなかったと情けないと感じているのだろう。
「大丈夫だって。たまにまたシてくれよ?それでチャラな。」
だからこうやって交換条件を出してやれば、「うん…!」と水を得た魚のように嬉しそうに頷くのだ。そんなこと本当はせずとも俺がシてやるからいいのだが、たまにはこう言うのもいい。
俺を見上げるほの花の頬に優しく触れれば、昨日赤くなっていたところはだいぶ赤みも腫れも引いていてホッとしたが、やはりムカッとしてしまう気持ちは消えない。
女に手を出すことも最低だが、俺の女に手を出したことはもっと最低で本気で地獄に落ちて欲しい。
顔に出ていたのだろうか。ほの花が心配そうな顔をしているが、それを隠すこともせずに彼女に触れるだけの口づけを落とす。
「一日経っても腹立つモンは腹立つんだわ。俺の女に手を出したわけだから。」
「う、うん。…えと、あ、ありがとう…?」
「何の礼だよ、そりゃ。」
「え、だ、だって私のことで怒ってくれてるから…。嬉しいなって…。」
嬉しい?嬉しくねぇよ。俺は。
傷つけられて腹が立っていると言うのにほの花が嬉しそうに笑うものだからガックシ…と肩を落とす。
俺は一生、ほの花に敵う気がしない。