第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
情交後の朝の微睡は本当に大好きで、気の済むまで宇髄さんが抱っこしてくれるし、肌と肌が触れ合って優しい気持ちにさせてくれるが、そろそろ起きなければと名残惜しくも体を離すとぐちゃぐちゃに丸まった布団が目に入った。
「……?宇髄さん、あの布団なぁに?」
「ん?っ、あ?あ、あれな。そうだった…忘れてた…。」
今度は宇髄さんが真っ青になって頭を抱え出したので、驚いて寄り添ってみるが、項垂れたまま肩を落としている彼が心配になる。
理由も分からないので仕方なく、脱ぎ捨てられていた服を身につけるとその布団を確認するため、目の前にしゃがみ込むと「ちょ、ちょっと待て!」と慌てた様子の宇髄さんに止められる。
着流しを軽く羽織って帯を簡易的にしているだけの彼が目の前に来て通せんぼをしてきたが、色気が凄くて朝なのに少しポーッとしてしまうった。
(朝から何考えてるのー!!)
慌てて考えを振り払うと、布団をチラッと見る。
「ついでだから一緒に干しちゃおー。今日はいいお天気だよ?」
「いや、このまま干すのは…ちょっとな…。まずい。」
「えー?意味わかんない。私やるから大丈夫だよ。」
そう言うと宇髄さんの体をすり抜けてその布団を広げて見るとその惨状に目を見開いた。
通りで彼が止めに入ってきたわけだ。
びしょびしょに濡れて、染みになってしまっているそれはお漏らしした後のような状態。
こんなことになる理由は一つしか思い浮かばなくて、それを見たまま私は顔がどんどん熱くなる。
そして込み上げてくるのは言いようのない申し訳なさだ。
後ろにいる宇髄さんをチラッと見るとそのまま頭を下げた。
「………あの、も、モウシワケアリマセンデシタ…。」
「謝んなって。俺が悪ぃんだから。布団は良いんだけどよ、こんなん干してたらまたアイツらにドヤされっからなぁって思ってたんだけど、うっかり忘れてたぜ。ハハハッ。」
優しい顔をして頭を撫でてくれる彼に益々申し訳なさが募っていくが隠すことは出来なさそうなので、私たちはこの後二人で揃ってお叱りを受けることになった。
でも、宇髄さんが隣にいてくれたので悪戯が失敗した子どものような気分で二人で笑い合えたのは何だか新鮮だった。