第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
俺に抱きついてきたほの花が一心不乱に腰を動かしてくれて俺自身もだんだんと限界に近づいてきたというのに、喘ぎもせずに体を震わせると急に動かなくなったほの花に驚いて、体を起こしてやる。
すると、完全に意識を失っている彼女が目に入って、ふぅっとため息を吐いた。本当ならば起こしてやって最後までさせるつもりだったが、汗だくで意識を失うまで頑張ってくれたほの花を見るととてもそんなことはさせられない。
仕方なくほの花を押し倒すと今日初めて自分主導の律動を始める。既に喘ぎはしないが、頬を上気させたままの彼女の口は開け放たれていて妙に厭らしい。
打ち付ける度にぴちゃぴちゃという水音に彼女がいつのまにか潮吹きまでしていたことに気づく。
(…そりゃ意識なくなるわ。)
随分と無理をさせてしまったようで、この期に及んで可哀想になったが、後の祭りだ。
俺はなるべく早く達しようと腰を限界まで引き抜いて打ち付け続ける。
「…っ、ごめんな、ほの花。ちょっとやりすぎたわ。」
謝罪が厭らしい水音と肌と肌がぶつかる音だけがする部屋に吸い込まれていくと、漸く俺も限界を迎えて、彼女の腹部に欲望を解き放った。
肉棒を抜いた瞬間に決壊した川のように溢れ出してきて、急に脳が冷静になっていった。
「…あー、また俺の人権無くなるな。」
元嫁たちからほの花に無理をさせない情交をしろと再三忠告を受けているため、布団をびしょびしょにさせたり、所有印をつけ過ぎると大体翌日お叱りを受ける。
甘んじて受け入れているが、大体一ヶ月に一度はこんなことがある。
今回もまたやってしまったと天を仰いだ。
「…ほの花が可愛すぎんのも悪ぃだろ。あー、もう。」
すやすやと気持ちよさそうに寝息を立てる可愛い恋人の顔を見ると勝手に目尻が下がり、そのまま抱きしめた。
お仕置きなんて言っておいて、結局は愛するほの花とのこの行為で愛を確かめ合いたいだけ。
最後の最後まで俺のために頑張ってくれたほの花のことを考えると顔がにやけてしまい、誰も見ていないというのにほの花に見えないように目を逸らす。
「…愛してる。ほの花。」
そう呟くと俺も微睡に意識を手放した。