• テキストサイズ

陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※






「ほの花さん…!大変、手足が傷だらけ…。やだ…!可愛い顔にも…擦り傷作って…!」

「あははは…、心配には及びません。」

何故ならこれは故意に怪我したものなので…という一般人には理解し難い言い訳をグッと飲み込む。そんなこと言ったとて何のために…?と言う理由を説明する羽目になるのはもっと面倒だ。


顔や手足についた擦り傷はちょっとくらいやられた方が良いだろうかと思い、わざと転んでみたりしたけど、途中で面倒になり辞めた。
あの人たちにやられたのは最初、頬を平手打ちされたものだけ。


本当に大したことない。
痛みもないし、擦り傷なんて鍛錬でだってよくあることだ。


「ほの花さん、本当に何から何までお世話をかけてしまい…、私があの人たちにお金を借りたばかりに…。」

「いえいえ。借りたお金は払っておきましたし、もう近付かないように一筆書かせましたので大丈夫ですからね。」

「え…!?そんなことまで…!体が治ったらすぐに働いて返しますので…、何卒お待ち頂きたく…!」


最早、私は一国のお殿様にでもなったかのような扱いだ。
負の連鎖はどこかで断ち切らないと絶対に終わらない。やって、やり返して…の繰り返しは何も生み出さない。
ならばこれで終わりでいいのだ。


まだ体調不良の体に鞭打って、頭を下げ続けるお母さんを制して、布団に横たえると診察を始める。


「今日で抗菌薬が終わりだったのであと三日分処方しておきますね。呼吸音はだいぶ良くなってるように思います。琥太郎くんが頑張って看病してくれたおかげだね!」

見立ては間違っていなかったようで肺の炎症は治まってきていてホッとした。


子どもの学習能力というのは凄いもので、私が教えた家事はほとんど出来る様になっていて、琥太郎くんは逞ましい。


朝もお母さんにお粥を作ってくれたみたいで小鍋が出してあったし、今も夕飯のご飯をもう炊き始めている。

口が悪くたって母親を大切に出来る優しい子に育っているのは紛れもなくこのお母さんの育て方が良かったからだと思う。


/ 2859ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp