第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
昨日アレだけ濃厚に愛し合ったというのにも関わらず「一発ヤってから任務に行く!」と言って聞かない宇髄さんに昼間から襖を閉め切って、布団を敷くと、まんまと押し倒されてしまう。
彼とひとたびそう言う時間に突入してしまえば終わるまで私は熱に浮かされて何も考えられないのはいつものこと。
今日も時間は違えど彼に愛されてしまうと、微睡に足を踏み入れて、気付いたときは温もりが無くなっていた。
幸い、隊服を身につけている彼の姿を見ることができたけど、喘ぎすぎて声が掠れてしまう。
「…あの、…いってらっしゃい」
「お、悪い、起こしちまったか。あーあー、喉乾いたろ。ほら、茶持ってきてあるから飲めよ。」
そう言うと、湯呑みを渡してくれるのでそれを受け取り一口飲む。喉に広がる潤いにホッとした。
「ありがとう、気をつけてね。」
「ん。さっき言ったことちゃんと覚えてろよ?俺はお前のことちゃんと受け止められる自信あっから、困ったことあればちゃんと言えよ。いいな?」
「え、う、うん。分かった、けど…急にどうしたの?」
「別に…?お前がちっとも甘えてこねぇから言っておきたかっただけ。行ってくるわ。オトモダチも良いが、俺の相手もしてくれねぇと拗ねてやるからな。」
最後の言葉は恐らく本気だ。
確かに彼がいる時間帯に出かけて行くのは忍びないし、愛する人との時間を蔑ろにしてまでやり過ぎるのは首を突っ込みすぎだ。
程々にしなければ…と思わせられる。
「じゃあ、行ってくるわ」と口づけをしてくれると襖を開けて、屋根に向かって跳び上がっていく宇髄さん。
こうやって見送るのは久しぶりな気がした。
いつも自分の仕事があったり、日中のすれ違いなんてほぼ毎日のこと。
それでも夜はお互いの布団の中で求め合ってしまえば寂しさやすれ違いなんてすぐに溶け合ってしまうと思っていた。
でも、私が昨日たまの休みの日に宇髄さんが休みでないことが残念に感じていたように彼だってたまにはこうやって見送って欲しかったりするのではないか。
随分と申し訳ないことをしてしまった。
私だって彼の恋人として与えてもらうばかりでなく愛を与えられる人間でありたい。