第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
「何でそんな驚くんだよ。俺はお前にはいつ孕んでもらっても構わねぇと思ってるぜ?安心して子を産め。」
「だ、だ、だから…、まだ志半ばで…!」
「わかってっけど、俺はそれだけお前との関係を真剣に考えてるから。」
急に真面目な顔をしたかと思うと私の肩に手を乗せてじーっと見つめられた。
あまりに美丈夫の彼に至近距離で見つめられればそれは赤面してしまうのは無理はないと思う。
「だから…、困ったことあったり、助けてほしいことがあったらちゃんと言えよ。ちゃんと真剣に一緒に考えてやるし、お前一人で抱え込むことないからな。」
甘い空気感だと思ったら話の内容は随分と真面目なことで少しぽかんとしてしまったけど、彼の真剣な眼差しが嬉しくて、有り難かった。
「今は仕方ねぇから婚約者っつー関係ってことにしてるけど、俺は体感的にはお前の夫だとすら思ってんだから。」
この人は私のことを喜ばせることしかできないのかな。いや、有難いし、嬉しいけど…。
でも、そんな風に言われてしまうと、甘えん坊な私はすぐに甘えたくなってしまうし、彼に頼りたくなってしまう。
「ありがとう」と伝えれば頭を撫でてくれるけど、脳内を埋め尽くすのは今さっき行ってきた家のこと。
琥太郎くん親子のこと言った方がいいのだろうか?そんな相談するような状況は脱している…と思っているし、自分のお給金の中で出来るだけのことしかしていない。
宇髄さんにお願いして、助けてもらうような状況ではないので、今相談することは違う気がした。
「宇髄さんのこと頼りにしてるよ。いつも甘えさせてくれてありがとう。」
「俺はお前に甘えられた記憶は殆どないけどな。」
「え?!甘えてるよ?!何で?!」
「お前の甘えるの基準がおかしいんだわ!俺がいなけりゃ生きていけねぇ女くらいになってもらってもいいっつーのに。」
宇髄さんの発言に私は耳を疑った。
だって…そんな女って……
「それってめちゃくちゃ無能な女だと思うけど…。」
「お前はそれくらいでも良いっつってんの!助けてやりたくても助ける前に自分で何とかしちまうのは可愛くねぇ!」
最終的には何故か怒り出したので、宥めながら家に帰ったが、何故ここにいたのだろうか?という疑問を感じることはなかった。
あなたはいつも私を守ろうとしてくれていたんだね。