第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
今日は野菜がたっぷりと入ったお味噌汁
炊き立てのごはん
昨日雛鶴さんが作ってくれた煮付けが美味しかったので真似して作ってみた。
お母さんにはお粥を作って、あとは琥太郎くんにお任せすることにする。
「琥太郎くん、これお母さんのお粥ね。私、今日は早く帰らないといけないからこれで失礼するけどお母さんのこと宜しくね。」
「分かった!ほの花、ありがとな!」
「こら…!琥太郎!だからほの花さんって呼びなさいって言ってるでしょう?!」
「い、いいんですよ。あはは。じゃあ、私はこれで…。」
もう昨日からほの花って呼び捨てだし、今更直されても気持ち悪い。遠慮されて甘えられなくなると元も子もないし、それで良いと思っていた。
家を出るとまだお昼ちょっとすぎ。
陽も高くて宇髄さんと任務前に少しお話したりできるかもしれないと思うと、顔が自然とにやけてしまう。
しかし、ふと誰かの視線を感じた気がして辺りを見回した。
川沿いにある小さな家は草っ原の中にあり、人目につかない。こんなところで人の気配をするということはあの家に用事がある人くらい。
だとしても…悪い気配ではない。
夜じゃないので鬼ではないし、負の闘気も感じない。
彼らに危害が及ぶわけではないと思い、私はもう一度辺りを見回してから家路を急ぐ。
明日は産屋敷様の調合の日だから行くとしても少ししか行けないけど、お母さんの調子も気になるし、明日までの抗菌薬しか出してないからまた様子を見に行こう。
宇髄さんの屋敷が見えてくる手前で音もなく後ろから抱きつかれると体をビクッとさせたが、すぐその温もりにほっと一息吐いた。
「何だぁ、宇髄さんか。びっくりした〜。」
「まーた浮気しに行ってたのか?ほの花。」
「えー?浮気じゃないよ〜。可愛い男の子に会いに行ってたの!」
「お前が子ども好きだとは思わなかったぜ。まぁ、それならいつ孕んでも問題ねぇから良いけどな!」
「な、な、何言ってるのーー!」
軽口を言ってふざけてくるけど、彼の空気感がどこかで感じたような気もして、首を傾げた。いつも一緒にいるのだからこの既視感は当たり前か、と思い直し、前から抱きついた。