第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
背中が布団に到着すると同時に降ってきた唇を受け入れると性急に着物の帯を外された。
休日であれば鬼殺隊の隊服を着る必要もないので、着物を着ていただけなのだが、どうやらそれもお気に召さないようで嫌そうに剥ぎ取っていく宇髄さん。
舌を絡ませるような口づけをしていても気になることは全部聞いておきたいのか唇との距離が口づけをするかしないかのギリギリで口を開く。
「…お洒落して男ン家に行ってたってことか?」
「ちょ、ちょっと待って…?そんなこと言ってないよ。」
確かに誤解をされるような言い方をしてしまった私が悪いが、決してそういうことではない。
宇髄さんの考えている"男"とは全く違うのだから。
「何が違ぇんだよ。いくら俺でも男ン家に行ったっつーなら許せねぇぜ?このまま家に監禁してやろうか?」
「こ、怖い怖いーーっ!いや、だって、その子…まだ子どもだから…!」
「…………は?子ども?」
「そう、多分…十歳いくかいかないかくらい?やんちゃな男の子!お母さんもいてね。仲良くなったからお邪魔してたの。」
その瞬間、宇髄さんが私の肩口にボスっと顔を埋めた。大きなため息を吐いて、じろりと睨むようにこちらを見ると片手で頬を摘まれた。
「…マジで焦ったし…。…子どもかよ。ややこしいこと言うなって…。本気で監禁してやろうかと思ったぞ、俺は。」
「ご、ごめんね…!でも、流石の私も知り合ったばかりの男の人の家に行ったりしないよ!」
「自ら行かなくても薬盛られて連れ込まれる可能性だってあんだから気をつけろよ、本当に。はぁーーー、心配すぎて小さくして毎日持ち歩きてぇーーー!」
「もう…信用ないなぁ…。」
「信用ねぇよ?お前の可愛さ舐めんなよ。」
宇髄さんがわけの分からない褒め言葉なんだか悪口なんだかを抱きしめられながら言い続けるものだから私は半裸状態で風邪をひきそうだった。
しかし、それに気付いた宇髄さんが、すぐにお風呂に入れてくれて、その日はお仕置きと称して朝までしっかりと抱かれまくった。
翌日、再び琥太郎くんの家に行く旨を伝えるとニコニコして送り出されるものだからホッとして、胸を撫で下ろす。
腰に代償を負ったが、後ろ髪を引かれないで済むのは有難いのだからこれでよかったと思うようにした。