第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
ほの花が遅くなった理由は友達の家に行っていたからと言ってきた。
………が!そんなヤツいたか?と思って聞いてみたら今日知り合ったと言うもんだから頭を抱えた。
いくらなんでも危機感なさすぎやしねぇか。
どんな奴かもよく知らずにそんな長居できるか?しかし、誤魔化そうと笑ってくるということは"やっちまった"感はあるようだ。
ほの花もほの花で恐らく俺の怒るところを分かりつつある。だから誤魔化すわけで、悪いとは思っていると思うが…、それでも心配なことに変わりない。
いくらほの花が強くて、一般人ならば返り討ちできるとは言え、薬盛られたりして動けなくなったところを手篭めにされたら…
「……だああああっ!!ぶっ殺す!!」
「え、ひょええええ!?な、何で?!こ、怖いよーー!」
「はぁ?違ぇよ!お前じゃねぇ!お前のこと手篭めにした野郎のことだ!」
「はい?!されてないよ?!何のこと言ってるの…?」
そこで、漸く脳内妄想が膨らんだことに気づいてほっとしたが…、考えれば考えるほどその"トモダチ"のことが気になって仕方ねぇ。
「なぁ、男じゃねぇよな?」
「え……?あー……と、」
「…………。」
「…………て、てへ。」
「………ん?よーし、ほの花。俺の部屋行くか。飯食ったよな?もうご馳走様だな?」
その"てへ"は全く可愛くねぇ。
できれば今すぐ此処で押し倒して事情聴取と行きたいが、残念ながら居間なわけで。こんなところで盛ろうものならば元嫁たちにまたドヤされる。
仕方なくほの花を抱き上げると、後片付けをしている三人がいる台所に向かって声をかけた。
「おーい!雛鶴か、まきをか、須磨ーー!悪ぃが、今日だけ片付け頼むわ。ちょーっと所用が入った。」
「え、ちょ、あの、宇髄さん、わ、私が片付けするから…!」
「お前は今から事情聴取を受けねぇとな?」
パタパタと呆れた顔をした三人とすれ違うと俺は自分の部屋にほの花を連れ込み、布団に押し倒した。