第18章 まだ見ぬ先も君といたい。※
「いいか、お前の門限は午後六時だからな。分かったか。」
「えええ?!早すぎないです、…早すぎない?!」
「今の敬語のお仕置きを受ければ午後七時にしてやらんこともねぇ。」
「…じゃあ、お仕置き受ける。」
お仕置きは一回だが、門限はこれからずっとだ。暫く熱りが冷めるまではきっと宇髄さんなら絶対にそれを守らせるためならあらゆることをする筈だ。
恐らく正宗たちは宇髄さんに協力するだろうし、私の人権は無い。
宇髄さんもよく「俺の人権ない」って言うけど、私だってこういう時無いんだからお互い様だと思う。
「大体、何でこんな遅くなったのか、簡潔に言え。」
宇髄さんはどうやら帰ってきてからずっと夕飯も食べずに待ってくれていたようで、二人で今、遅めの夕飯を食べている最中。
雛鶴さんが作ってくれた魚の煮付けが美味しくて幸せなのに宇髄さんが追及の手を緩めてくれないので、美味しさ半減だ。
「ごはん…食べてからにしよ…?ちゃんと話すから。」
「いーまーはーなーせー。」
肩を組んだまま私の口を摘んでくるので「分かったよー!」とジタバタすれば、やっと離してくれるが不満気な顔は変わらない。
「お友達の家に行ってたの。ついつい長居しちゃって気付いたら真っ暗なんだもん。びっくりしちゃった。」
「友達ぃ?誰だそれ。友達ってお前、いつの間にそんなヤツ出来たんだ。」
「今日。」
「今日?!今日の今日でこんな長居したっつーのかよ。」
これはやばい。
本当にやばい。
確かにそうだ。これに関しては宇髄さんの反応が正しい。
やってきたことはやましいことでもないし、浮気してきたわけでもない。
それなのに何故か隠したくなってしまうのは、また私の危機管理能力のことを責められると思ってしまったから。
「……てへ。」
「てへ。じゃねぇし。本当にお前は…。飯食ったら覚悟しろよ…?」
「…………てへ。」
「誤魔化しても俺は本気だからな。可愛こぶんな。可愛いのは知ってんだよ。」
彼は私を叱りたいのか褒めたいのかどちらなのだろうかとたまに分からなくなる時がある。
でも、「覚悟しろよ」の内容が分からないほど馬鹿ではないので、背中に冷や汗が流れた。