第3章 立ち振る舞いにご注意を
「ほの花さーーん!今日は私と一緒にお風呂入りましょ?!」
「えぇ?!いや、私はもう体調良いので一人で入れますよ?」
「ええええ!だって雛鶴さんとまきをさんとは入ってましたよね?!」
「そ、それは体がふらついていたからで…。」
「えぇー…次は私の番だと思ってたのに……。」
分かりやすくしょんぼりして落ち込む須磨さんだが、ここは食卓。
目の前には宇髄さんも正宗達もいて、風呂の話を急に話し出す須磨さんに顔を引き攣らせている。
それはそうだろう。
「おい、須磨…」
「天元様は黙っててくださぁい!今日一日中、ほの花さんを独り占めしてたじゃないですかぁ!」
「はぁ?!俺はコイツのこと継子として鍛えてたんだろうがぁ!」
「関係ありませーん!一緒にいたことに変わりありません〜!」
こうなると須磨さんは止まらないと段々と分かってきたのでその場を丸く収めようと慌てて間に入って彼女と向き合った。
「わ、分かりました!一緒に入りましょう!」
「良いんですかぁ?!わーい!お背中流しますからね!ほの花さんの柔らかそうな肌触ってみたかったんです〜!」
「さ、触っ…?!?!」
宇髄さんの奥様なんだから失礼のないようにしなければと思ってきたが、自慢ではないが私は女性に好かれることが多かった。
それは友達として…というのもあるが、言いにくいが女性から恋愛対象として見られたこともあるためこうやってあからさまにくっついてこられると"まさか…?!"と警戒してしまうのだ。
それに反して男性には全くと言ってないが。
里の中で恋愛関係になった人はいなかったし、そもそも私は背が女にして高くて、男性にそう言う対象に見られることがなかったように思う。
デカい女って嫌だよね…。
ここに来て宇髄さんもだし、"柱"の人は自分より背の高い人も多かったので見下ろされることが物凄く嬉しかった。
こんな私でも女に見える…!と静かに喜びを感じていたのは記憶に新しい。