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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第17章 君色日和※





「音柱様が…あなたは甘味が好きで食べ始めたら永遠に食べてると言っていたから。」

「………宇髄さんが?」


って、ちょっと待って?!
永遠に食べ続けてるって何?!それって悪口よね?ただの悪口よね?!
人を甘味ばっかり食べてる甘味馬鹿みたいな言い方ではないか。
此処にはいない恋人に若干ムッとするが、目の前の甘味に罪はない。正直、唾液が分泌されて仕方ないし、それを嚥下する度に甘い匂いによってそれすら美味しく感じるような気がした。


「…嘘、吐いたから。謝ろうと思って。あの膝掛け、もらったんじゃないから。」

「それでわざわざ…?そっか。分かったよ。ありがとう。確かに甘味は大好きなの。永遠には食べてませんけどね!!」


迎えに来てくれたら絶対に苦言を呈する。私のことを何だと思ってるのだ。彼女に私のことを話してくれていたことは嬉しいが…。なんとも言えない微妙な顔をしているとあやめちゃんが言葉を続けた。


「…初めて、音柱様とあなたが一緒にいるところを見て、私なんか入り込めないほどの関係だってすぐに気づいた。あなたに譲られたとしても継子になんて絶対にしてくれないわ。」

「え、あの、宇髄さんは柱で忙しいから…。」

「それでなくてもあなたに意地悪したのバレちゃってたみたいで睨まれちゃったし、本当ならばお叱りと罰を受けてもいいくらいだわ。」


バレちゃったというか私が言ったからであって…宇髄さんは言わなければ気づかなかったかもしれないので、その時点で親に言い付けた子ども感で少し恥ずかしくなった。

そんな自分の情けない行動を取り返すかのように彼女に言葉をかける。


「そんな…!宇髄さんがそんなことしたら私が止めるから!違うの、私があやめちゃんに言われたこと鵜呑みにして宇髄さんを物凄い罵って喧嘩してしまったの…。それに関しては感情を抑えられなかった自分も悪くて…、あやめちゃんだけの問題じゃないから…!」

「それでもきっかけはわたしでしょ?だからこれはそのお詫びでもあるから。」


この前みたいな刺々しさはなく、穏やかにそう言われるので、そこに蟠りはもう無いと素直に感じた。
そこまで分かると余計に甘味が美味しそうに見えて嬉しくなってしまう。


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