第16章 子犬のワルツにご注意を※
ふわふわと熱に浮かされるような感覚はいつものこと。宇髄さんとのこの行為は毎度のことながら夢か現実か分からなくなる時がある。
それに今日なんだか
物凄く宇髄さんに触れられたい。
「何だよ、今日はやけに素直じゃねぇか。」
「……だって…、宇髄さんが好きなんです…。」
私の言葉を聞いて宇髄さんが少し固まった気がした。でも、すぐに私の唇に熱い温度を感じると、ザラザラとした感触が口内を蠢いた。
くちゅ、ちゅぱ…
唾液の交換をするような激しい口づけはお腹が温かくなるように感じる。
大好きなそれをもっと感じたいから彼の腕に掴まっていた腕を再び首に巻きつけるとそのまま抱き上げられた。
そこでやっと自分達がまだ立ったまま壁に背中をつけてこの行為をおこなっていたことに気づく。体が浮く感覚は宇髄さんと居れば日常的に起こり得ることだが、情交のときはこのまま布団に横たえられるのだと分かり、胸がドキドキする。
トン──
背中が柔らかい布団の感覚を感じたかと思うとそのまま足を押し広げられて宇髄さんの指が私の蜜芽を弾いた。
「んっふ…っ!ん…。」
触れられたくてたまらなかったのにいざ触れられると腰が浮く。
嫌なのではない、ただ気持ち良くて昇り詰めていく感覚は何度感じても慣れないだけ。
「…すーげぇ、ぐちょぐちょ。俺に抱かれたかったのか?」
そんなこといつもなら恥ずかしがって否定してしまう質問。
でも、今日の私は何だか変だ。
「はい。」だなんてなぜ言えたのか?
俯瞰して自分を見てしまっているが、言っているのは紛れもなく自分でどこか他人事に感じてしまう。
「…もっと、さわってください…。」
「……ッ、ったく、何なんだよ。今日は。」
すると、少しだけ焦ってような顔をした宇髄さんが蜜芽と共にいきなり指を一本差し込んできた。その快感は異次元なほど。
「ひゃ、あああああああっ!!!」
いつもこんなに気持ちよかった?と思うほどに仰け反り、簡単に果ててしまった。
いや、きっといつも気持ちいいのは間違いないのだが、今日は私が彼以上に求めてしまっているんだと分かると無意識に首に回した手に力が入った。