第15章 君が生まれた日※
よく見たら隊服すら中途半端にしか脱がしていないわ
布団は敷かずに冷たい畳の上に押し倒してるわ
膣内射精をするわ
俺は男の風上にもおけねぇ野郎だ。
ほの花の親が生きてたら本気で土下座しねぇといけないほど。
いや、生きていずとも心の中で土下座する。
(…申し訳ありませんでした。二度としませんので許してください。)
亡くなっているのに頭が上がらないのはこんなに可愛くて優しいほの花を産み、育ててくれたかけがえのない人たちだから。
(…絶対墓に向かって足向けて寝れねぇ…。)
それなのにほの花が俺にやり直しをさせてくれる機会をいとも簡単に与えてくれるものだから胸が熱くなる。
ほの花のことが愛おしくて仕方ない。
体を抱き上げるとまずは布団を敷き、その上にほの花を優しく横たえる。
「…ごめんな、畳で痛かっただろ。体も冷たくなっちまってるな。」
怖がるそぶりは一切見せずに痛みを耐えながらも俺の怒りを全て受け入れてくれたほの花には感謝しかないが、冷たくなってしまった肢体に後悔が押し寄せる。
「…じゃあ…温めてくれますか?私、宇髄さんに抱きしめられると温かて優しくていつも幸せで眠くなっちゃいます。」
「…寝んなよ。今から"やり直し"しようとしてんのに。でも…いくらでも温めてやるから。」
「はい!じゃあよろしくお願いしますー!」
そう言うと少しだけふざけたように俺に抱きついてくるのでそれを受け入れて抱きしめる。
こうやって俺が気にしないように振る舞ってくれるほの花には感謝しかないが、誕生日のおねだりっつーなら、全身全霊で俺が愛してやらねぇといけない。
髪に
目に
頬に
そして唇に優しく口づけをするとほの花の熱っぽい瞳と目が合う。
「…愛してる。ほの花。」
贖罪と思われるかもしれないが、もちろんそれだけではない。
愛おしくてたまらない彼女に捧ぐ愛の言葉はいくら紡いでも足りないと感じてしまう。
それほどまでにほの花は俺のたった一つの宝。